判旨
弁論の再開の是非は裁判所の職権に属する事項であり、裁判所の合理的な裁量によって決定される。
問題の所在(論点)
終結した口頭弁論を再開しなかった裁判所の判断が、職権の濫用として違法となるか。
規範
口頭弁論の再開(民事訴訟法153条参照)をするか否かは、特段の事情がない限り、裁判所の広範な裁量に属する。
重要事実
上告人は、被上告人が建物の建築を開始する以前から係争地を占有していたと主張したが、原審はこれを認めなかった。上告人は、本人再尋問の却下や、結了した口頭弁論を再開しなかった原審の判断には違法があると主張して上告した。
あてはめ
本件において、上告人は弁論の再開を求めたが、原審はこれに応じなかった。弁論の再開は裁判所の裁量に属する事項であり、本判決によれば、原審が再開しなかったこと自体に違法は認められない。また、唯一の証拠方法とは認められない上告人本人の再尋問を却下したことや、証拠の取捨選択も裁判所の裁量の範囲内である。
結論
弁論の再開は原審の裁量に属するため、これを再開しなかった原審の判断に違法はなく、上告を棄却する。
実務上の射程
裁判所の訴訟指揮権(特に弁論の再開や証拠採用の是非)に関する裁量の広さを確認する際に参照される。司法試験においては、釈明権の行使義務など裁量の逸脱・濫用が問題となる場面との比較で、原則的な裁量の広さを指摘する根拠となる。
事件番号: 昭和37(オ)744 / 裁判年月日: 昭和38年4月9日 / 結論: 棄却
弁論の再開を命ずる否とは裁判所の専権事項であり、第一審判決がいわゆる欠席判決である 場合にも、結論を異にすべきものではない。
事件番号: 昭和32(オ)543 / 裁判年月日: 昭和35年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所は、訴訟が判決をなすに熟すると認めるときは職権で弁論を終結させることができ、一度終結した弁論を再開するか否かは裁判所の合理的な裁量に委ねられる。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)において新たな主張および証拠(新主張・新証拠)の提出を予定していたが、原審裁判所は訴訟が裁判をなすに熟し…
事件番号: 昭和34(オ)370 / 裁判年月日: 昭和35年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の再開は裁判所の職権に属する事項であり、裁判所が再開を命じなかったとしても直ちに違法とはならない。また、陳述されていない準備書面の記載内容について裁判所が釈明権を行使する義務はない。 第1 事案の概要:上告人は原審において準備書面を提出していたが、記録上、当該準備書面が口頭弁論で陳述された事実…
事件番号: 昭和37(オ)328 / 裁判年月日: 昭和38年8月30日 / 結論: 棄却
一 裁判所が当事者の弁論再開の申請を採用しなかつたため、新たな証拠の提出ができなかつたとしても、証拠提出を不当に制限したことにはならない(昭和二三年(オ)第七号、同年四月一七日第二小法廷判決、民集二巻四号一〇四頁参照)。 二 公務員の職務執行に基づく損害については、国家または公共団体がその責任を負い、当該公務員は被害者…