弁論の再開を命ずる否とは裁判所の専権事項であり、第一審判決がいわゆる欠席判決である 場合にも、結論を異にすべきものではない。
第一審判決がいわゆる欠席判決である場合における第ニ審の口頭弁論再開の要否。
判旨
口頭弁論の再開を命ずるか否かは裁判所の専権事項(裁量)であり、第一審がいわゆる欠席判決である場合であってもその性質は変わらない。
問題の所在(論点)
口頭弁論の終結後、裁判所が弁論を再開すべき義務を負うか、特に第一審が欠席判決であった場合に裁判所の裁量が制限されるかが問題となった。
規範
口頭弁論の再開(民事訴訟法153条参照)を命ずるか否かは、裁判所の専権事項(合理的な裁量)に属する。この法理は、第一審の判決がいわゆる欠席判決(当事者の一方が欠席した状態でなされる判決)である場合であっても、同様に適用される。
重要事実
上告人は、原審における証拠の取捨選択や事実認定を不当とし、さらに第一審が欠席判決であったことを理由に、裁判所が弁論の再開を命じなかったことは理由不備や審理不尽の違法にあたると主張して上告した。事案の具体的な背景事実は判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁は、弁論の再開が裁判所の専権事項であるという既存の判例法理を維持した。本件において第一審が欠席判決であったとしても、その事実のみによって裁判所に弁論再開を強制するものではなく、再開しないことが審理不尽等の違法を構成することはないと判断した。
事件番号: 昭和34(オ)370 / 裁判年月日: 昭和35年11月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の再開は裁判所の職権に属する事項であり、裁判所が再開を命じなかったとしても直ちに違法とはならない。また、陳述されていない準備書面の記載内容について裁判所が釈明権を行使する義務はない。 第1 事案の概要:上告人は原審において準備書面を提出していたが、記録上、当該準備書面が口頭弁論で陳述された事実…
結論
弁論の再開を命ずるか否かは裁判所の専権事項であり、第一審が欠席判決であっても結論は異ならない。したがって、上告人の主張には理由がなく、上告を棄却する。
実務上の射程
裁判所の弁論再開義務を否定した基本判例である。答案上は、当事者が弁論終結後に新たな証拠や主張を提出して再開を申し立てた場合でも、特段の事情がない限り、再開するか否かは裁判所の広い裁量に委ねられることを論理の前提として引用する。
事件番号: 昭和33(オ)550 / 裁判年月日: 昭和36年7月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】口頭弁論期日の閉廷後に出頭した場合は欠席(不出頭)にあたり、控訴審の第1回口頭弁論期日に控訴人が不出頭のまま弁論を終結し、その後の弁論再開を認めない裁判所の措置は、裁量権の範囲内として適法である。 第1 事案の概要:控訴審の第1回口頭弁論期日において、控訴人(上告人)が閉廷後に出頭した。原審(控訴…
事件番号: 昭和32(オ)488 / 裁判年月日: 昭和34年3月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】弁論の再開の是非は裁判所の職権に属する事項であり、裁判所の合理的な裁量によって決定される。 第1 事案の概要:上告人は、被上告人が建物の建築を開始する以前から係争地を占有していたと主張したが、原審はこれを認めなかった。上告人は、本人再尋問の却下や、結了した口頭弁論を再開しなかった原審の判断には違法…
事件番号: 昭和37(オ)639 / 裁判年月日: 昭和38年10月15日 / 結論: 棄却
民事調停規則第五条は、調停の申立があつた事件につき訴訟が繋属する場合において、右訴訟手続を中止するか否かを裁判所の自由裁量に委ねた趣旨と解すべきである(昭和二七年(オ)第五七一号昭和二八年一月二三日第二小法廷判決、民集七巻一号九二頁と同旨)。