判旨
上告理由が原審の証拠取捨や事実認定を非難するにすぎない場合は、民事訴訟法上の適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
事実認定の誤りや証拠の取捨選択に対する不満が、最高裁判所に対する適法な上告理由となるか。
規範
最高裁判所への上告において、単なる事実認定の不当や証拠の取捨選択に関する不服申し立ては、民事訴訟法(現行法312条等)に定める適法な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は、原審が行った証拠の取捨および事実の認定に誤りがあるとして上告を提起した。これに対し、最高裁判所は上告理由の性質を検討した。
あてはめ
上告人が主張する理由は、いずれも原審の適法な証拠取捨および事実認定を非難するにとどまるものである。これは、法律の解釈誤りや憲法違反といった適法な上告理由に該当しないと評価される。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
上告審が法律審であることを端的に示す事例である。司法試験の答案作成においては、事実認定に関する不服は上告理由にならないという民事訴訟法の基本原則を再確認する際に参照される。
事件番号: 昭和29(オ)939 / 裁判年月日: 昭和30年4月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事訴訟法394条(現行312条1項・2項)所定の上告理由に該当しない事実認定の是非を争う主張は、適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人は、原審(控訴審)が行った証拠の採否および事実認定に不服があるとして上告を申し立てた。判決文からは具体的な紛争の背景や事実関係の詳細については不明…
事件番号: 昭和32(テ)22 / 裁判年月日: 昭和32年12月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法違反を主張する上告であっても、その実質が原審の事実認定を非難するにすぎない場合は、特別上告の適法な理由とはならない。 第1 事案の概要:上告人が憲法違反を理由として特別上告を提起したが、その主張の内容は、原判決が行った事実認定の手続きや結果に対する不服申し立てであった。 第2 問題の所在(論点…
事件番号: 昭和29(オ)464 / 裁判年月日: 昭和31年5月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件不動産の所有権移転登記が寄託の趣旨でなされたとの主張に対し、原審がそのような事実を認定していない以上、その前提を欠く論旨は上告理由として認められない。 第1 事案の概要:上告人は、本件不動産の所有権移転登記が「寄託」の意味でなされたものであると主張し、原判決の判断を不服として上告した。しかし、…
事件番号: 昭和32(ヤ)25 / 裁判年月日: 昭和34年4月23日 / 結論: 却下
【結論(判旨の要点)】上告裁判所は不服申立ての限度でのみ調査義務を負うため、上告理由として主張されていない事項や、適法な期間経過後に提出された補充書記載の事項について判断を示さなくとも、判決に影響を及ぼすべき重要な事項の判断遺脱(民事訴訟法第338条1項9号)には当たらない。 第1 事案の概要:再審原告は、前審の上告判…
事件番号: 昭和25(オ)312 / 裁判年月日: 昭和26年2月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】民事上告事件の特例法に基づく上告において、各号の事由に該当せず、かつ法令の解釈に関する重要な主張を含まない場合には、上告を棄却する。 第1 事案の概要:上告人が民事上告事件の特例法に基づき上告を申し立てたが、その主張内容が同法1号ないし3号の事由に該当するか、あるいは法令解釈上の重要性を持つかが争…