判旨
土地の引渡しを受けた根拠が交換契約にあるとの主張について、立証が不十分であれば、当該契約に基づく占有の権原は認められない。事実認定に関する判断が判決の結論に影響しない事項である場合、上告理由は採用されない。
問題の所在(論点)
上告人が主張する交換契約の成立という事実認定の成否、およびそれが判決の結論に影響を及ぼすか否か。
規範
契約の成立を主張する者は、その成立を認めるに足りる証拠を提示する立証責任を負う。また、上告審においては、原判決の認定を覆すに足りる証拠がない限り、事実誤認を理由とした不服申立ては採用されない。
重要事実
上告人は、被上告町との間で、町所有の土地(本件係争土地)と自己所有の土地を交換する契約を締結し、これに基づき係争土地の引渡しを受けたと主張した。しかし、一審判決および原判決は、提出された証拠では交換契約の成立を認めるに足りないと判断し、町側の請求(土地明渡し等)を認容した。上告人はこれを不服として上告した。
あてはめ
一審において交換契約の成立を認める証拠がないと判断されており、原審で新しく提出された証拠を合わせてもその認定を覆すには至らない。上告人の主張は結局のところ、判決の結論に影響を及ぼさない仮定論に対する非難にとどまり、有効な上告理由を構成しないと評価される。
結論
上告を棄却する。交換契約の成立が証明されない以上、上告人の占有権原は認められない。
実務上の射程
本判決は事実認定の不備に関する定型的な処理を示したものである。答案上は、主張する権利の発生要件(本件では交換契約)についての立証責任が、その権利を主張する側にあることを確認する場面で活用される。
事件番号: 昭和33(オ)633 / 裁判年月日: 昭和35年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】証拠の排斥理由を判決文に逐一記載する必要はなく、裁判所の専権に属する証拠の取捨判断及び事実認定に不合理がなければ適法である。 第1 事案の概要:本件土地の売買をめぐり、当事者間の契約が知事の許可を条件とする単純な売買契約であるか、それとも上告人が主張するような譲渡担保であるかが争われた。原審は、提…
事件番号: 昭和35(オ)781 / 裁判年月日: 昭和38年3月12日 / 結論: 棄却
右によつては審理不尽の違法をきたさない。
事件番号: 昭和32(オ)406 / 裁判年月日: 昭和34年2月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】役場備付の公簿上の図面等であっても、他の証拠に照らしてその記載が真実と認め難い場合には、裁判所はこれを証拠として採用しないことができる。 第1 事案の概要:上告人は、役場に備え付けられていた公簿上の図面等の記載を根拠として、原審の事実認定に経験則違反があると主張した。しかし、原審は当該図面の記載を…
事件番号: 平成22(受)285 / 裁判年月日: 平成23年6月3日 / 結論: 棄却
表題部所有者の登記も所有権の登記もない土地を時効取得したと主張する者が,当該土地は所有者が不明であるから国庫に帰属していたとして,国に対し当該土地の所有権を有することの確認を求める訴えは,次の(1)〜(3)の事情の下では,確認の利益を欠く。 (1) 国は,当該土地が国の所有に属していないことを自認している。 (2) 国…