判旨
民事訴訟において伝聞証言の証拠能力は制限されず、その採否は裁判所の自由な心証に委ねられる。
問題の所在(論点)
民事訴訟において、伝聞証言の証拠能力は制限されるか。また、伝聞証言の採否や評価は裁判所の合理的な裁量の範囲内か。
規範
民事訴訟法上、伝聞証言の証拠能力が制限されていると解すべきではなく、当該証言を事実認定の資料として採用するか否かは、裁判所の自由な心証による判断(自由心証主義)に委ねられる。
重要事実
上告人は、原審が証人Dの証言を他の証言等と比較した上で排斥した措置について、証拠判断を誤り採証法則に反する違法があると主張して上告した。本件では伝聞証言の証拠能力およびその評価の適法性が争点となった。
あてはめ
民事訴訟法には伝聞証拠の証拠能力を一般的に制限する規定は存在しない。本件において、原審が証人Dの証言を他の証拠と対比して検討し、その結果として証拠として採用しない(排斥する)判断を下したことは、裁判所に認められた自由心証の範囲内といえる。したがって、証拠判断に誤りがあるとする論旨は採用できない。
結論
伝聞証言に証拠能力の制限はなく、その採否は裁判所の自由な心証に委ねられるため、原審の証拠判断に違法はない。
実務上の射程
民事訴訟における自由心証主義(民訴法247条)の帰結として、伝聞証拠排除の法則が適用されないことを明示した判例である。答案上は、伝聞証言や伝聞書面の証拠能力が問われた際、本判例を根拠に証拠能力を肯定し、証明力の問題として処理する際の論拠として使用する。ただし、不当な評価は経験則・論理則違反となり得る点に注意を要する。
事件番号: 昭和40(オ)1198 / 裁判年月日: 昭和41年10月7日 / 結論: 棄却
いわゆる伝聞証言の証拠能力は当然に制限されるものではなく、伝聞証言の採否は、裁判官の自由な心証による判断に委されているものと解すべきである。
事件番号: 昭和36(オ)929 / 裁判年月日: 昭和37年3月9日 / 結論: 棄却
伝聞証言の証拠能力は必ずしも当然に制限されるものではなく、裁判官の自由な心証による判断に委されていると解すべきである。
事件番号: 昭和33(オ)792 / 裁判年月日: 昭和36年1月27日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所は、証人の証言の一部を採用し、他の部分を措信しないという自由な評価を行うことが認められる。また、当事者の主張と供述が一貫している場合には、それに基づき事実を認定することが可能である。 第1 事案の概要:被上告人は、係争地を含む山林を買い受けたと主張していた。第一審および第二審において、証人D…
事件番号: 昭和34(オ)112 / 裁判年月日: 昭和35年12月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】入会権の内容および制限の有無は、当該入会地の沿革、地形、地勢、および長年の慣行に基づき、各事案における証拠関係を総合して個別的に判断されるべきである。 第1 事案の概要:上告人ら(部落)は、本件係争地が自村の所有する山であり、永年にわたり入会ってきた歴史があることから、その入会権の内容には制限がな…