判旨
実在しない会社名義で行われた取引は、当該会社が実体を有しない以上、その名義を用いて実際に取引を行った個人に帰属する。
問題の所在(論点)
実在しない会社の名義を用いて取引がなされた場合、その取引の法的効力は誰に帰属するか、あるいは無効となるか。
規範
契約の当事者が実在しない法人名義を用いた場合、当該取引による権利義務の帰属主体は、その名義を便宜上使用して実体上の取引を行った自然人と解すべきである。
重要事実
上告人は、横浜のD産業株式会社とは別に、青山のD産業株式会社(以下「青山D産業」)という会社が存在すると主張して取引を行った。しかし、実際には青山D産業という会社は存在せず、その名義で行われた取引は、実体上、EおよびFという2名の個人によって行われたものであった。
あてはめ
青山D産業は法人としての実体を有さず、存在しない組織である。一方で、本件取引はEおよびFの両名によって現実に行われており、その名義は単に便宜上利用されたに過ぎない。したがって、取引の主体は名義上の会社ではなく、実体的な行為者であるEおよびFであると評価される。
結論
青山D産業名義の取引は、実体上の取引者であるEおよびFに帰属する。
実務上の射程
法人格のない団体や架空の社名を用いた取引における当事者確定の法理として機能する。答案上は、当事者確定の基準(表示・意思・客観的理解)において、表示された名義人が存在しない場合に、行為者へ帰属させる論理として援用できる。
事件番号: 昭和39(オ)327 / 裁判年月日: 昭和40年11月25日 / 結論: その他
単に供託が無効であることの確認を求める訴は、許されない。
事件番号: 昭和34(オ)341 / 裁判年月日: 昭和36年2月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】実在しない会社の名義で行われた鉱業権設定の出願は、実在する別会社が後に商号変更を予定していた等の事情があっても、代表資格のない者が無関係に行ったものである限り、無効である。 第1 事案の概要:上告人らは、本件鉱業権設定の出願が「D鉱山株式会社」名義でなされた際、実在する「E産業株式会社」が将来的に…