公職選挙法二五一条の三の規定は、憲法一三条、一四条、一五条一項三一条、三二条、四三条一項九三条二項に違反しない。
公職選挙法二五一条の三と憲法一三条、一四条、一五条一項三一条、三二条、四三条一項、九三条二項
公職選挙法251条の3,憲法13条,憲法14条,憲法15条1項,憲法31条,憲法32条,憲法43条1項,憲法93条2項
判旨
公職選挙法251条の3(組織的選挙運動管理者等の連座制)は、公明かつ適正な選挙の実現という合理的目的があり、規制手段も限定的かつ免責規定が存することから、憲法13条、14条、15条1項、31条等に違反しない。
問題の所在(論点)
公職選挙法251条の3(組織的選挙運動管理者等の行為による当選無効及び立候補禁止)の規定は、立候補の自由や参政権、適正手続等の観点から憲法に違反しないか。
規範
公明かつ適正な選挙の実現という極めて重要な法益を実現するための規制であり、その立法目的は合理的である。手段の合理性については、①連座の対象を悪質な選挙犯罪(禁錮以上の刑)に限定し、②立候補禁止期間や対象選挙の範囲も限定的であること、③おとり・寝返り行為による免責や、候補者等が相当の注意を尽くした場合の免責(251条の3第1項ただし書)を設けていることを踏まえ、全体として必要かつ合理的な制約であると解する。
重要事実
上告人の選挙において、組織的選挙運動管理者等に該当する者が買収等の選挙犯罪を犯し、禁錮以上の刑に処せられた。これを受けて、検察官が公職選挙法211条に基づき当選無効及び立候補禁止を求めて提訴したところ、上告人は同法251条の3の規定が憲法13条、14条、15条1項、31条、32条、43条1項、93条2項に反し違憲であると主張して争った。
事件番号: 平成10(行ツ)215 / 裁判年月日: 平成10年11月17日 / 結論: 棄却
公職選挙法二五一条の二第一項五号、二項の規定は、憲法一五条一項、三一条に違反しない。
あてはめ
本件規定は、従来の連座制では選挙犯罪を抑制できなかった実態に鑑み、候補者に組織的選挙運動の浄化義務を課したものである。本件では、組織的選挙運動管理者等の概念は明確であり、かつ候補者が相当の注意を尽くせば免責される道も開かれている。このような枠組みは、選挙の公正確保という目的達成のために必要かつ合理的な手段であり、憲法が保障する諸権利を不当に侵害するものではない。適法に確定した事実関係によれば、同条を適用して上告人の当選を無効とし、立候補を制限することは憲法に違反しない。
結論
公職選挙法251条の3は合憲であり、上告人の当選無効及び立候補制限を認めた原審の判断は正当である。
実務上の射程
選挙権や立候補の自由に対する制約の合憲性判定において、目的の正当性と手段の合理性・必要性から判断する枠組みを示している。特に、候補者本人に直接の帰責事由がない場合でも、組織管理上の注意義務違反を擬制して制裁を科す仕組みの合理性を肯定した点に意義がある。
事件番号: 平成8(行ツ)193 / 裁判年月日: 平成9年3月13日 / 結論: 棄却
一 公職選挙法二五一条の三の規定は、憲法前文、一条、一五条、二一条、三一条に違反しない。 二 会社の代表取締役乙が、公職の候補者甲を当選させる目的の選挙運動を会社を挙げて行おうと企図し、従業員の朝礼及び下請業者との会食において甲にあいさつをさせ、投票及び投票の取りまとめを依頼するなどの選挙運動をする計画を会社の幹部らに…
事件番号: 平成8(行ツ)117 / 裁判年月日: 平成8年7月18日 / 結論: 棄却
選挙運動の総括主宰者、出納責任者等が選挙犯罪により刑に処せられたときは公職の候補者等であった者が公職選挙法二五一条の五に規定する時から五年間当該選挙に係る選挙区(選挙区がないときは、選挙の行われる区域)において行われる当該公職に係る選挙に立候補することを禁止する旨の同法二五一条の二第一項の規定は、憲法一五条、三一条、九…
事件番号: 昭和39(行ツ)59 / 裁判年月日: 昭和39年9月25日 / 結論: 棄却
公職選挙法第二五一条の二の規定は、憲法第一三条及び第一五条第一項、第三項に違反しない。