判旨
最高裁判所への抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許容され、それ以外の規定に基づかない抗告は管轄権を欠き不適法である。
問題の所在(論点)
刑事事件において、特別の規定がない場合に最高裁判所に対して直接抗告を申し立てることの可否。
規範
最高裁判所に対する抗告は、法律により特に最高裁判所に抗告を申し立てることが許された場合に限り認められる。かかる特別の規定がない限り、最高裁判所には抗告についての管轄権が認められず、旧刑事訴訟法466条1項(現行法の準用規定を含む)に基づき棄却されるべきである。
重要事実
抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案であるが、当該抗告が刑事訴訟法応急措置法18条に基づき特に最高裁判所への申立てを許容された事由に該当するか、あるいは他に管轄を認める規定があるかが問題となった。
あてはめ
本件抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条に規定される「特に最高裁判所に抗告を申し立てることを許された場合」に該当しないことは明白である。また、他に本件のような抗告を最高裁判所の管轄に属せしめた法律上の規定も見当たらない。したがって、本件抗告は法的な管轄の根拠を欠くものといえる。
結論
本件抗告は不適法であるから、棄却を免れない。
実務上の射程
最高裁判所の不服申立管轄に関する限定的な解釈を示すものである。実務上、特別抗告(刑訴法433条)等によらずに通常の抗告として最高裁に申し立てることは、明文の根拠がない限り認められないことを確認する際に参照される。
事件番号: 昭和25(し)36 / 裁判年月日: 昭和25年11月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許され、それ以外の場合は認められない。 第1 事案の概要:再抗告人が、最高裁判所に対して抗告を申し立てた。本件において、当該抗告を最高裁判所の管轄に属させる特別な規定の有無が問題となった。 第2 問題の所在(論点):…
事件番号: 昭和28(し)16 / 裁判年月日: 昭和28年5月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、抗告を申し立てることはできない。 第1 事案の概要:抗告人が最高裁判所に対して抗告を申し立てた事案。本件の抗告理由は、法律(刑訴応急措置法18条等)において例外的に最高裁判所への抗告が認められている事由には該当しないものであった。 第2 問題…
事件番号: 昭和26(し)105 / 裁判年月日: 昭和28年7月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、刑訴応急措置法などの特別の規定により許容される場合を除き、抗告を申し立てることはできない。また、再審請求等において新証拠の提示もなく事実認定を争うのみでは、適法な特別抗告理由に当たらない。 第1 事案の概要:被告人は、原確定判決が認定した自らの性行、死因、犯行の原因、動機、お…
事件番号: 昭和29(し)63 / 裁判年月日: 昭和29年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法施行法2条に基づき旧刑事訴訟法が適用される事件において、最高裁判所に対する抗告は、刑事訴訟法応急措置法18条等の特別の規定がある場合に限り許容される。本件は当該規定に定められた理由を主張するものではないため、不適法として棄却されるべきである。 第1 事案の概要:本件は旧刑事訴訟法が適用さ…
事件番号: 昭和28(し)74 / 裁判年月日: 昭和29年3月25日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所に対しては、法律により特に許された場合を除き、直接抗告を申し立てることはできない。また、特別抗告として申し立てる場合であっても、その理由が再審事由等の法定された事由に該当しない限り不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、旧刑事訴訟法510条に基づき、最高裁判所に対して即時抗告を申し立…