判旨
刑法6条(時に関する刑の適用)について、犯罪後の法律によって刑の変更があった場合に該当しない限り、同条を適用する必要はないとするのが相当である。
問題の所在(論点)
刑法6条(時に関する刑の適用)における「刑の変更」の有無、および同条を適用すべき要件が問題となる。
規範
刑法6条は、犯罪後に法律によって刑が変更された場合に、そのうちの軽い刑を適用することを定めたものであるが、実体法上の刑の変更を伴わない手続的な法令の改正や、刑に影響を及ぼさない変更の場合には同条の適用は不要である。
重要事実
被告人らの弁護人が、刑法6条の適用に関する主張を含む法令違反及び量刑不当を理由として上告を申し立てた。原審は、本件において刑法6条の適用を要しないと判断しており、この判断の是非が争点となった。
あてはめ
判決文からは具体的な犯罪事実の詳細は不明であるが、裁判所は原判決の判断を正当とした。すなわち、本件において適用されるべき法令の変遷を検討した結果、被告人にとって有利な刑の変更があったとは認められない、あるいは刑法6条の前提となる「刑の変更」自体が存在しないと評価された。
結論
本件において刑法6条の適用の必要はないとする原判決の判断は正当であり、上告を棄却する。
実務上の射程
時に関する刑の適用(刑法6条)の要否について、単なる法令の形式的変更ではなく、実質的な刑の変更がない場合には適用されないことを確認する実務上の先例となる。答案上は、法改正が刑罰権の内容に変更を及ぼしているかを判断する際の根拠として用いる。
事件番号: 昭和27(あ)6352 / 裁判年月日: 昭和30年3月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】貸金業等の取締に関する法律による規制は、憲法22条1項の保障する職業選択の自由を不当に圧迫するものではなく、公共の福祉による正当な制限として合憲である。 第1 事案の概要:上告人は、貸金業等の取締に関する法律(旧法)の規定が、憲法22条が保障する職業選択の自由を不当に圧迫し違憲であると主張して上告…
事件番号: 昭和28(あ)601 / 裁判年月日: 昭和30年4月22日 / 結論: 棄却
貸金業等の取締に関する法律第二条にいう「貸金業」の意義は当裁判所の判例(昭和二六年(あ)第八五三号同二九年一一月二四日大法廷判決)のとおりであつて客観的に観察して貸金業としての形態を備えることは右「貸金業」の要件には属しない。
事件番号: 昭和33(あ)731 / 裁判年月日: 昭和36年3月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法律の廃止に際し、附則で施行前の行為につき従前の例により罰則を適用すると規定することは、法の文理上明らかであり憲法39条に違反しない。また、同条にいう「既に無罪とされた行為」とは「既に無罪の裁判のあった行為」を指す。 第1 事案の概要:被告人は、旧法である「貸金業等の取締に関する法律」に違反する行…
事件番号: 昭和27(あ)4049 / 裁判年月日: 昭和28年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】貸金業法(旧貸金業等取締法)に関する原判決の法律解釈は正当であり、特段の法令違反は存在しない。また、上告趣意が単なる法令違反の主張に留まる場合は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人が貸金業に関連する法令違反に問われた事案において、原判決の法律解釈を不服として弁護人…
事件番号: 昭和30(あ)2101 / 裁判年月日: 昭和32年2月28日 / 結論: 破棄差戻
【結論(判旨の要点)】貸金業等の取締に関する法律2条1項にいう「貸金業」とは、反覆継続の意思をもって金銭の貸付等を行うことを指し、営利の目的や利益を得た事実は要件ではない。 第1 事案の概要:被告人が複数の相手に対し、期間を置いて、あるいは短期間に集中して金銭の貸付を行った。原審は、一部の貸付について交友関係に基づくも…