決定訂正申立棄却の決定に対する再審請求は不適法である。
決定訂正申立棄却の決定に対する再審請求の可否
旧刑訴法504条
判旨
上告棄却の決定および決定訂正申立棄却の決定に対し、再審を許容する規定はなく、これを許すべきでもないため、当該決定に対する再審請求は不適法である。
問題の所在(論点)
上告棄却の決定および決定訂正申立を棄却する決定に対して、再審の請求をすることが認められるか。再審の対象となる裁判の範囲が問題となる。
規範
刑事訴訟法上、再審の対象は「有罪の確定判決」等に限定されており(同法435条、436条参照)、上告棄却の「決定」や決定訂正申立棄却の「決定」といった、判決ではない決定に対して再審を認める規定は存在しない。また、法の予定しない手続を解釈により創設することは許されない。
重要事実
被告人は恐喝および贈賄被告事件において、最高裁判所がなした上告棄却の決定(昭和27年11月28日)および決定訂正申立棄却の決定(同年12月26日)に対し、再審の請求を申し立てた。
あてはめ
事件番号: 昭和28(き)22 / 裁判年月日: 昭和28年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告が不適法または明らかに上告理由に当たらないとしてなされた上告棄却の決定に対し、再審を請求することは許されない。再審は証拠に基づいた実体判決に対してのみ許容される制度であり、手続的判断にとどまる決定はその対象外である。 第1 事案の概要:請求人は、自らに対する上告棄却の確定決定に対し、再審を請求…
本件で再審請求の対象とされているのは、いずれも最高裁判所の「決定」である。刑事訴訟法(および旧法)の規定上、再審は確定した「判決」を対象とする非常救済手続であり、これらの決定について再審を許容する明文の規定は存在しない。したがって、法規にない再審請求は不適法といわざるを得ない。
結論
本件再審請求は不適法である。よって、本件再審請求を棄却する。
実務上の射程
再審の客体は、有罪の確定判決(435条)または控訴棄却若しくは上告棄却の確定判決(436条)に限られるという原則を確認するもの。決定に対して不服がある場合は、決定訂正(415条、428条2項等)の枠組みで検討すべきであり、再審手続を用いることはできない。
事件番号: 昭和28(き)16 / 裁判年月日: 昭和28年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審の請求は、当該上告審判決自体に再審事由(刑訴法435条、436条各号相当)がある場合に限り許容される。 第1 事案の概要:本件は、上告を棄却した確定判決に対し、請求人が再審の請求を申し立てた事案である。請求人は別紙記載の事由(詳細は判決文からは不明)を再審事由として主…
事件番号: 昭和28(き)17 / 裁判年月日: 昭和28年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審は刑訴法436条に規定があるが、上告が不適法または理由不備としてなされた上告棄却の決定に対しては、再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、過去になされた上告棄却の決定に対し、再審請求を申し立てた。当該決定(原確定裁判)は、請求人…
事件番号: 昭和27(き)11 / 裁判年月日: 昭和28年2月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法上、確定判決に対する再審の請求は認められているが、確定決定に対する再審を許容する規定は存在しないため、確定決定に対する再審請求は不適法である。 第1 事案の概要:請求人は、上告を棄却した確定決定に対して再審を請求した。なお、本件において請求人が再審の事由とした具体的な事実関係については、…
事件番号: 昭和26(き)6 / 裁判年月日: 昭和26年12月18日 / 結論: 棄却
右の者に対する横領、窃盗被告事件について昭和二六年一〇月二三日当裁判所がした上告棄却の決定に対し請求人から再審の請求があつたが、上告を棄却した確定判決に対しては、刑訴四三條に規定する事由があるときに限りこれをすることができるものであるところ、かかる場合に当らないこと明白であるから、次のとおり決定する。