右の者に対する横領、窃盗被告事件について昭和二六年一〇月二三日当裁判所がした上告棄却の決定に対し請求人から再審の請求があつたが、上告を棄却した確定判決に対しては、刑訴四三條に規定する事由があるときに限りこれをすることができるものであるところ、かかる場合に当らないこと明白であるから、次のとおり決定する。
上告棄却決定に対する再審請求の適否
刑訴法436條,刑訴法447條,刑訴法446條
判旨
旧憲法下の事案について、訴訟手続の不備(訴状の不送達や期日召喚の欠如)を理由とする確定判決の取消請求は、当時の民事訴訟法が定める再審の訴えによるべきであり、別訴をもって既判力を否定することは認められない。
問題の所在(論点)
訴状の送達欠如や召喚手続の不備といった重大な手続違背がある場合、別訴によって確定判決の取消しを請求できるか。民事訴訟法上の再審の訴えとの関係が問題となる。
規範
確定判決の既判力は法的安定性の観点から尊重されるべきであり、その取消しは、民事訴訟法が規定する再審事由に該当する場合に限り、再審の訴えという法定の手続によってのみ許容される。
重要事実
上告人は、前訴の判決において、訴状の送達を受けず、かつ期日の召喚も受けていないにもかかわらず、手続が進められ判決が確定したと主張した。そのため、当該確定判決の取消しを求めて本件訴えを提起した。
事件番号: 昭和44(き)1 / 裁判年月日: 昭和44年2月7日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】再審請求において、刑事訴訟法436条1項所定の事由の主張を欠き、かつ同規則283条所定の手続に違反する請求は、不適法として棄却される。 第1 事案の概要:本件において、請求人は最高裁判所に対し再審の請求を行った。しかし、その請求内容には刑事訴訟法436条1項(上訴棄却の確定判決等に対する再審事由)…
あてはめ
上告人の主張する事由(訴状不送達・期日不召喚)は、民事訴訟法(旧法)が定める再審事由に該当し得る性質のものである。このような手続的瑕疵を理由に判決の効力を争う場合、法の定める再審の手続によらなければならない。本件のように、独立した別訴をもって直接に確定判決の取消しを求めることは、判決の既判力を無効化するものであり、法的に認められない。
結論
確定判決の取消しを求める本件請求は、適法な手続によらないものであるため、棄却されるべきである。
実務上の射程
判決の無効・取消しを争う際の排他的な手続として再審の訴えを位置づける。現代の民訴法においても、無効な判決(不存在)を除き、既判力の排除には再審の手続が必須であるという原則を確認する事案として参照される。
事件番号: 昭和28(き)17 / 裁判年月日: 昭和28年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審は刑訴法436条に規定があるが、上告が不適法または理由不備としてなされた上告棄却の決定に対しては、再審を許容する規定はなく、これを許すべきではない。 第1 事案の概要:請求人は、過去になされた上告棄却の決定に対し、再審請求を申し立てた。当該決定(原確定裁判)は、請求人…
事件番号: 昭和28(き)16 / 裁判年月日: 昭和28年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告棄却の確定判決に対する再審の請求は、当該上告審判決自体に再審事由(刑訴法435条、436条各号相当)がある場合に限り許容される。 第1 事案の概要:本件は、上告を棄却した確定判決に対し、請求人が再審の請求を申し立てた事案である。請求人は別紙記載の事由(詳細は判決文からは不明)を再審事由として主…
事件番号: 昭和26(し)75 / 裁判年月日: 昭和26年10月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】最高裁判所が下した決定に対しては、更に上級裁判所が存在しないため、これに抗告を申し立てることは許されない。 第1 事案の概要:抗告人は、最高裁判所が昭和26年9月18日になした「再審請求棄却決定に対する抗告棄却の決定」に対し、さらに抗告を申し立てた。これに対し、最高裁判所が当該抗告の適法性を判断し…
事件番号: 昭和28(き)22 / 裁判年月日: 昭和28年12月1日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告が不適法または明らかに上告理由に当たらないとしてなされた上告棄却の決定に対し、再審を請求することは許されない。再審は証拠に基づいた実体判決に対してのみ許容される制度であり、手続的判断にとどまる決定はその対象外である。 第1 事案の概要:請求人は、自らに対する上告棄却の確定決定に対し、再審を請求…