判旨
民族的偏見をもって量刑が不当に重くなっているとは認められない場合、量刑不当を理由とする違憲の主張は前提を欠き、上告理由に当たらない。
問題の所在(論点)
量刑が民族的偏見により不当に重くなっているという主張が、刑訴法405条の上告理由としての違憲の主張(憲法違反)に該当するか。
規範
量刑の不当が憲法違反とされるためには、判決の前提となる量刑判断に民族的偏見等の不当な差別的考慮が認められなければならない。これがない場合には、憲法違反の主張はその前提を欠くものとして、刑訴法405条の上告理由に該当しない。
重要事実
被告人が量刑不当(重すぎる点)を理由として上告した事案。弁護人は、その量刑の背景に民族的偏見が存在することを理由として、憲法違反(違憲)を主張した。
あてはめ
記録を精査しても、裁判所が民族的偏見を持って量刑を決定し、その結果として量刑が不当に重くなっているという事実は認められない。したがって、違憲の主張は具体的な事実上の根拠を欠くものであり、実質的な憲法問題を含まない。
結論
本件上告は刑訴法405条の上告理由に当たらないため、棄却されるべきである。
実務上の射程
量刑の不当を憲法違反として構成しようとする主張に対し、裁判所がその事実的前提の有無によって門前払いする手法を示している。実務上、量刑不当のみでは原則として上告理由にならないため、憲法問題を提起する際のハードルの高さを示す例として参照される。
事件番号: 昭和25(あ)3395 / 裁判年月日: 昭和27年12月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当の主張は実質的に憲法37条違反の問題ではなく、刑訴法405条所定の上告理由に当たらない。また、量刑不当を上告理由から除外する制度設計は、憲法に違反するものではない。 第1 事案の概要:弁護人が、被告人に対する刑の量刑が重すぎるとして、これを憲法37条(被告人の諸権利)違反であると主張し、最…
事件番号: 昭和26(あ)4194 / 裁判年月日: 昭和28年6月12日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の上告について、事実誤認や量刑不当の主張は刑訴法405条の上告理由に当たらない。また、違憲の主張についても、先例の趣旨に照らし、憲法違反は認められない。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起したが、その主張内容は事実誤認および量刑不当であった。また、弁護人からも憲法違反を理由とする上告がなさ…