判旨
住居侵入罪が強盗罪の手段となる関係にある場合、起訴状において訴因や罰条として明示され、被告人に送達されている限り、適法に訴訟の対象となり得る。
問題の所在(論点)
住居侵入罪が強盗罪の手段として行われた場合において、起訴状の記載や送達等の手続状況に照らし、当該住居侵入の事実が適法に審理・認定の対象となっているか。
規範
起訴状に訴因および罰条として明示されており、かつその謄本が被告人に送達されている場合、裁判所は当該事実を審理の対象とすることができる。また、ある犯罪(住居侵入)が他の犯罪(強盗)の手段・結果の関係にある場合には、これらを併せて起訴し、認定することが可能である。
重要事実
被告人は、強盗等の罪で起訴された。被告人側は、住居侵入の事実が昭和28年1月24日付の起訴状には訴因罰条として含まれていたものの、同年3月3日付の起訴事実には含まれておらず、第一審判決もこれを認定していない旨を主張し、訴訟法違反を訴えて上告した。
あてはめ
本件では、住居侵入の事実は強盗の手段・結果の関係にあるものとして、当初の起訴状(1月24日付)の中に訴因罰条として明らかに記載されていた。また、その起訴状謄本は被告人に送達されている。その後の起訴事実の変遷はあるものの、手続上、被告人の防御権を侵害するような瑕疵は認められず、第一審判決の認定にも違法はないと解される。
結論
本件住居侵入の事実は適法に起訴されており、原判決に訴訟法違反の違法はない。上告棄却。
実務上の射程
住居侵入罪と強盗罪のように、手段・結果の関係(牽連犯)にある罪名が起訴状に含まれている場合の訴因の特定と告知に関する判断。実務上は、起訴状に記載され謄本が送達されていることで、被告人にとって不意打ちとならない範囲であれば、審理の対象となることを示す。ただし、本決定自体は簡短な上告棄却決定であるため、具体的な訴因変更の要否等の詳細な判断枠組みは、後発の主要判例に委ねるべきである。
事件番号: 昭和24(れ)2949 / 裁判年月日: 昭和25年5月4日 / 結論: 破棄自判
最高裁判所が破棄自判するに當り被告人は犯時及び原審判決當時には少年であつたが今や滿十八歳以上となつたものであるから、少年法を適用しないで處斷刑期並びに原判決の言渡した不定期刑(二年六月以上五年以下)の範圍内で被告人を懲役三年六月に處し、第一審における未決勾留日數中八〇日を刑法二一條に則り本刑に算入すべきものとする。
事件番号: 昭和24(れ)2361 / 裁判年月日: 昭和24年11月22日 / 結論: 棄却
現行刑法においても、住居侵入罪と強盜罪とはその被害法益および犯罪の構成要件を異にし、住居侵入の行爲は強盜罪の要素に屬せず別個獨立の行爲であり、しかも通常右兩罪の間には手段結果の關係のあることが認められるから、原判決が右兩罪を刑法第五四條第一項後段のいわゆる牽連犯として取扱つたのは正當であつて、論旨は理由がない。(昭和二…
事件番号: 昭和24(れ)2907 / 裁判年月日: 昭和25年2月28日 / 結論: 棄却
住居侵入罪と強盜致死罪竝に強盜傷人罪とは、その被害法益及び犯罪の構成要件をそれぞれ異にし、住居侵入の行爲は強盜致死及び強盜傷人罪の要素に屬せず別個獨立の行爲であるから、前者が後者に處罰上吸收せられると做す所論は理由がない。しかも右の兩者の間には通常手段結果の關係のあることが認められるから、原判決が判示住居侵入と強盜致死…
事件番号: 昭和27(あ)4943 / 裁判年月日: 昭和28年2月20日 / 結論: 棄却
現行刑法において住居侵入罪と窃盗罪とはその被害法益及び犯罪の構成要件を異にし、住居侵入の行為は窃盗罪の要素に属せず、別個独立の行為であり、しかも通常、右両罪の間には手段結果の関係があることが認められるから、第一審判決が両罪を刑法五四条一項後段のいわゆる牽連犯として取扱つたのは正当である。