判旨
食糧管理法による経済活動の制限は、公共の福祉に合致するものであり、憲法25条の規定に違反するものではない。
問題の所在(論点)
食糧の流通や価格を国家が統制する食糧管理法の規定が、憲法25条(生存権)に違反し違憲とならないか。
規範
憲法25条は、国が国民に対して健康で文化的な最低限度の生活を営むことができるよう政治的・経済的努力を払うべき指針を示すものであり、具体的な立法措置が直ちに同条に違反するか否かは、公共の福祉との適合性等に基づき判断される。
重要事実
被告人Cは、食糧管理法違反の罪で起訴された。弁護人は、食糧の強制的な管理を定めた同法が、国民の生存権を保障する憲法25条に違反するものであると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、過去の判例(昭和23年12月8日大法廷判決等)を引用し、食糧管理法が憲法25条に違反しないという判断を維持した。同法による制限は、国民生活の安定を目的とした経済的統制として公共の福祉に資するものであり、国家の裁量の範囲内にあると解される。
結論
食糧管理法は憲法25条に違反せず、合憲である。したがって、本件上告は棄却されるべきである。
実務上の射程
生存権をめぐる憲法訴訟において、初期の判例理論(プログラム規定説的な性格を持つもの)を確認する際に用いられる。経済的自由の制限が生存権保障の観点から問題となる事案での合憲性判断の先例として位置づけられる。
事件番号: 昭和28(あ)270 / 裁判年月日: 昭和28年5月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】食糧管理法による食糧の配給・統制は、国民の生存権を保障するための合憲な措置であり、憲法25条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人AおよびBが、食糧管理法違反の罪に問われた事案。被告人側は、同法による食糧の強制的な買い上げや配給制の維持、自由な取引の禁止が、国民の生存権を保障する憲法25条に違反…