判旨
共犯者間における量刑の差異は、直ちに憲法14条の平等原則に違反するものではなく、量刑の不当を理由とする上告は刑訴法405条の上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
共犯者間などで量刑に差が生じることが憲法14条に違反するか、および量刑不当の主張が刑訴法405条の上告理由となるか。
規範
被告人間の処罰の差異は、直ちに憲法14条に違反するものではない。また、単なる量刑の不当、事実誤認の主張は、刑訴法405条に定める適法な上告理由には当たらない。
重要事実
被告人両名に対し、原審においてそれぞれ異なる量刑が言い渡された。これに対し弁護人は、被告人間の処罰に差異があることは憲法14条の法の下の平等に反し、また原判決の認定には誤りがあり量刑が不当であるとして上告した。
あてはめ
判例(最大判昭23.10.6)に照らせば、被告人間の処罰に差異があることは憲法14条に違反しない。本件における弁護人の主張は、実質的に原判決の認定を非難し量刑の不当を攻撃するものに過ぎず、刑訴法405条所定の事由に該当しない。また、職権で調査しても刑訴法411条を適用して原判決を破棄すべき顕著な不当性は認められない。
結論
本件各上告を棄却する。量刑の差異は違憲ではなく、量刑不当の主張は適法な上告理由にならない。
実務上の射程
司法試験においては、共犯者間の量刑の不均衡が憲法14条の問題として提起された際の否定根拠として活用できる。また、刑事訴訟法上の上告理由の制限(405条)を論じる際の基礎的な判例である。
事件番号: 昭和56(あ)1044 / 裁判年月日: 昭和57年4月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法14条、28条、31条違反の主張が、実質的に事実誤認や単なる法令違反をいうものである場合、刑訴法405条所定の上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人らの弁護人が、憲法14条(法の下の平等)、28条(労働基本権)、31条(適正手続の保障)違反を理由として上告を申し立てた事案。しかし、…
事件番号: 昭和25(あ)1914 / 裁判年月日: 昭和26年6月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当を主張する上告理由は、刑事訴訟法405条に定める上告理由には該当せず、また職権で破棄すべき著しい不当も認められない場合には、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人の弁護人は、原審判決が科した刑罰が重すぎるとして量刑不当を理由に上告を申し立てた。なお、被告人がどのような罪種で起訴…
事件番号: 昭和42(あ)3025 / 裁判年月日: 昭和43年6月18日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共犯者のうち一部が起訴されず、またはより軽く処罰されたとしても、特定の被告人のみが起訴され、あるいは重く処罰されることは、直ちに憲法14条の法の下の平等に反するものではない。 第1 事案の概要:被告人は共犯事件に関与したが、他の共犯者は起訴を免れ、あるいは被告人よりも軽い処罰を受けるにとどまった。…