判旨
罰金等臨時措置法施行後の犯罪について、被告人を罰金刑に処する場合、判決の法令の適用において必ずしも常に同措置法を引用する必要はない。
問題の所在(論点)
罰金等臨時措置法施行後の犯罪に対し、罰金刑を科す判決の法令の適用において、同措置法を明示する必要があるか(刑事訴訟法335条1項の「法令の適用」の程度の問題)。
規範
被告人を罰金刑に処するにあたり、法令の適用を示す際、当該犯罪が罰金等臨時措置法の施行後になされたものであれば、必ずしも常に同法を示すことを要しない。
重要事実
被告人は、罰金等臨時措置法の施行後に犯罪を犯し、一審および控訴審において罰金1万円に処せられた。弁護人は、判決において法令の適用を示す際に同措置法の表示がないことを理由に、高等裁判所の判例違反であるとして上告した。
あてはめ
本件犯罪は、罰金刑の額を調整する罰金等臨時措置法の施行後に行われている。判例によれば、同措置法施行後の事案において罰金1万円を宣告する場合、判決書に法令の適用として同措置法を逐一掲げなくとも、刑の言い渡しとして適法であると解される。したがって、同法の引用がないことをもって直ちに判決に影響を及ぼすべき法令違反があるとはいえない。
結論
被告人を罰金に処する際、必ずしも常に罰金等臨時措置法を示す必要はなく、上告は棄却される。
実務上の射程
本判決は、判決書の「法令の適用」における記述の簡略化を認めた実務的な判断である。司法試験の答案上では、罪数や刑の加減例の引用漏れが「法令の適用」の不備として問題になる場面があるが、本判例を参考に、実質的に処断刑の範囲内であり、かつ適用される法関係が明白な場合には、形式的な引用漏れのみをもって直ちに違法とはされない法理の傍証として活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)4835 / 裁判年月日: 昭和28年12月25日 / 結論: 棄却
昭和二三年産米については、いわゆる事前割当手続がない場合においても、供出義務を免れない。