判旨
酒税法違反等の犯則事件において、収税官吏から検察官に対して適式な告発がなされている場合には、公訴提起の前提となる訴訟要件を欠くことはない。
問題の所在(論点)
酒税法違反等の犯則事件の公訴提起において、収税官吏による適式な告発がなされている場合に、訴訟要件(公訴提起の有効性)を充足するか。
規範
酒税法等の犯則事件の訴追において、法令に基づき収税官吏から検察官に対して適式な告発がなされているときは、有効に訴訟条件を具備したものと解される。
重要事実
被告人は酒税法違反の罪に問われた。昭和25年6月、小千谷税務署の収税官吏(大蔵事務官)から六日町区検察庁の副検事に対し、本件被疑事件について告発がなされた。検察庁は同年6月12日にこれを受理した。弁護人は、本件について適式な告発がなく訴訟要件を欠いている旨を主張して上告した。
あてはめ
本件記録を精査すると、昭和25年6月に小千谷税務署の収税官吏から検察官に対し、適式に告発がなされた事実が認められる。この告発は検察庁によって受理されており、刑事訴訟法上の手続に瑕疵はない。したがって、被告人が主張する「訴訟要件を欠く」との論旨は、事実上の前提を欠いているといえる。
結論
適式な告発が存在するため、訴訟要件を欠くとの主張には理由がなく、上告は棄却される。
実務上の射程
犯則事件(税法違反等)における専属告発の有無が争点となる事案において、客観的な告発の事実認定があれば訴訟条件を満たすことを示す簡潔な例証として機能する。実務上は、告発の主体の適格性や受理の事実を確認する際の基礎的な判断基準となる。
事件番号: 昭和25(あ)2374 / 裁判年月日: 昭和26年8月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】収税官吏による告発の手続が適法である以上、その告発に基づく公訴提起は有効であり、量刑が不当でない限り原判決を破棄すべき理由はない。 第1 事案の概要:被告人が税法違反の罪に問われた事案において、収税官吏による告発が行われた。弁護人は、当該告発が違法無効であり、かつ第一審および原審の量刑が不当である…