判旨
罰金等臨時措置法施行後の犯罪に対し同法を適用して処断する場合において、判決書に同法の適用を常に明示する必要はない。
問題の所在(論点)
罰金等臨時措置法を適用して処断する場合、判決書において同法の適用を明示的に示す必要があるか(罪を論ずるに援用すべき法令の表示の要否)。
規範
罰金等臨時措置法施行後の犯罪について、同法を適用して処断するにあたっては、判決において必ずしも常に同法の適用を引用・表示する必要はない。
重要事実
被告人が罰金等臨時措置法の施行後に犯罪を犯し、同法が適用された事案。弁護人は、判決書において同法の適用が明示されていないことが判例違反にあたると主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は、過去の判例(最高裁昭和27年9月10日大法廷判決等)を引用し、罰金等臨時措置法施行後の犯罪について同法を適用する際、その適用を必ずしも常に示す必要はないと判示。本件においても、同法が適用されるべき事案で適用されている以上、明示の欠如は上告理由にはあたらないと解される。
結論
判決書において同法の適用を明示する必要はないため、上告を棄却する。
実務上の射程
刑事訴訟法335条1項の「罪を論ずるに援用すべき法令」の表示に関し、特別法による罰金額の修正等が行われる場合の記載程度の限界を示すものとして、実務上は簡略な記載が許容される範囲を画定する意義がある。
事件番号: 昭和37(あ)917 / 裁判年月日: 昭和37年8月21日 / 結論: 棄却
刑訴三三五条一項所定の法令の適用を示す場合に、罰金等臨時措置法の適用は必ずしもこれを常に示す要がないことは、昭和二六年(あ)第三九七六号、同二七年一〇月二日第一小法廷決定、刑集六巻九号一〇九七頁以下の示すところである。