判旨
憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」とは、裁判所の組織構成において偏頗(偏り)が生じるおそれのない裁判所を指す。また、死刑制度は憲法に違反せず、これを規定する刑罰法規は合憲である。
問題の所在(論点)
1. 憲法37条1項が保障する「公平な裁判所」の意義。2. 死刑制度が憲法に違反し、無効であるか否か。
規範
1. 憲法37条1項にいう「公平な裁判所」とは、その組織構成において偏頗のおそれのない裁判所を意味する。2. 死刑制度そのものは、現行憲法下において違憲無効とはいえない(昭和23年3月12日大法廷判決参照)。
重要事実
被告人は強盗致死罪等に問われ、死刑の判決を受けた。これに対し被告人側は、強盗の犯意の認定に関する事実誤認を主張するとともに、裁判の公平性および死刑制度そのものの違憲性を理由として上告した。
あてはめ
1. 憲法37条1項の「公平な裁判所」について、本件において裁判所の組織構成自体に偏頗のおそれがあるといった具体的な事由は認められない。2. 死刑制度の違憲性については、既に確立された大法廷判例の趣旨に照らし、現行憲法下で死刑を規定する法律およびそれに基づく死刑の言渡しを違憲とすることはできない。
結論
1. 憲法37条1項の「公平な裁判所」とは、組織構成上の偏りがない裁判所を指し、本件裁判に憲法違反はない。2. 死刑制度は合憲であり、被告人に対する死刑の言渡しは正当である。
実務上の射程
憲法37条1項の「公平な裁判所」の定義を明示した初期の判例である。司法試験においては、裁判官の忌避・回避制度の趣旨を説明する際や、組織的公平性の文脈で引用される。また、死刑制度の合憲性に関する形式的な根拠としても参照される。
事件番号: 昭和23(れ)431 / 裁判年月日: 昭和23年12月27日 / 結論: 棄却
一 右檢事聽取書は、被告人が警察署に任意に出頭した日より一五日を經た昭和二二年五月六日に作成されたものであるが、被告人が勾留されたのは、同年同月二日であるから、勾留された日から四日後に作成されたのであり、右檢事聽取書記載の被告人の供述は、不當に長く拘禁された後の自白であるということは當を得ない。 二 憲法第三七條に所謂…