判旨
前科の事実を量刑の資料として用いることは、憲法13条および14条に違反しない。
問題の所在(論点)
刑事裁判の量刑段階において、被告人の前科を量刑の資料(情状)として採用し、刑を重くすることは、憲法13条または14条に違反するか。
規範
前科の事実を量刑の資料(情状)として考慮することは、個人の尊重(憲法13条)および法の下の平等(憲法14条)の趣旨に反するものではなく、裁判所の裁量権の範囲内として許容される。
重要事実
被告人が刑事事件において有罪判決を受けた際、裁判所が被告人の前科の事実を量刑の判断材料とした。これに対し被告人が、前科を量刑に反映させることは憲法13条(個人の尊厳・幸福追求権)および憲法14条(平等権)に違反すると主張して上告した事案である。
あてはめ
過去の大法廷判決(昭和22年(れ)201号等)の趣旨に照らせば、適正な量刑判断のために被告人の経歴や性格、再犯の危険性を示す前科を考慮することは、刑事裁判の目的および憲法の理念に抵触しない。本件においても、裁判所が記録上の事実に基づき量刑を決定したプロセスに憲法違反の事由は認められない。
結論
前科の事実を量刑資料とすることは合憲であり、被告人の上告を棄却する。
実務上の射程
量刑判断(刑事訴訟法248条関連の情状判断)において、前科が重要な考慮要素となることの憲法上の根拠を示す判例である。答案上は、量刑の不当性を争う文脈や、刑事手続における適正手続・平等の議論において、前科の考慮が原則として許容されることを引用する際に用いる。
事件番号: 昭和27(あ)3381 / 裁判年月日: 昭和28年3月10日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が諸般の事情を考慮した上で被告人に実刑を科すことは、個人の尊厳や幸福追求権を規定する憲法13条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人が刑事裁判において実刑判決を受けたのに対し、弁護人は「実刑を科すことは憲法13条に違反する」と主張して上告した。原審における具体的な犯罪事実は本決定文からは不…
事件番号: 昭和28(あ)4867 / 裁判年月日: 昭和29年3月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法39条(二重処罰の禁止等)および憲法37条1項(公平な裁判所の迅速な公開裁判を受ける権利)の違反を主張して量刑不当を争う上告は、原審で主張・判断を経ていない事項であり、かつ実質的に量刑を非難するものに過ぎない場合は適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人は刑を言い渡されたが、量刑…