判旨
刑の執行猶予を言い渡さないことは、憲法11条および13条に違反しない。量刑に関する不服は、憲法違反を主張するものであっても、実質が単なる量刑不当であれば刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。
問題の所在(論点)
刑の執行猶予を言い渡さないことが、憲法11条および13条に違反するか。また、量刑不当の主張を憲法違反として上告理由とすることができるか。
規範
刑の執行猶予の付与は裁判所の裁量に属する事項であり、執行猶予を付さないことが直ちに基本的人権の侵害(憲法11条、13条)を構成することはない。また、上告理由としての憲法違反の主張が、実質的に単なる量刑不当を指す場合は、刑事訴訟法405条の適法な上告理由とは認められない。
重要事実
被告人が刑の執行猶予の言渡しを受けなかったことに対し、弁護人が憲法11条(基本的人権の享有)および13条(個人の尊重・幸福追求権)に違反すると主張して上告した事案。判決文からは具体的な犯罪事実は不明であるが、量刑の妥当性が争点となった。
あてはめ
最高裁は、先行する大法廷判決を引用し、執行猶予を言い渡さないことが憲法11条および13条に違反しないことを明示した。本件の上告趣意は憲法違反を名目としているが、その実質は刑の量定が重すぎるという量刑不当の主張にすぎない。刑事訴訟法405条各号には量刑不当は含まれておらず、本件は同条の上告理由に当たらないと解される。
結論
本件上告は棄却される。刑の執行猶予を付さないことは憲法に違反せず、実質的な量刑不当の主張は適法な上告理由とはならない。
実務上の射程
量刑判断に対する憲法違反の主張は、それが実質的に量刑不当の主張に留まる限り、門前払い(上告棄却)されることを示す。刑事訴訟法上の「上告理由」の限定性を確認する際や、執行猶予の法的性質を論じる際の基礎資料として活用できる。
事件番号: 昭和27(あ)1471 / 裁判年月日: 昭和27年12月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】執行猶予を言い渡さない判決は憲法に違反するものではなく、また、憲法36条が禁じる「残虐な刑罰」には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が上告審において、第一審・控訴審判決が執行猶予を言い渡さなかったこと等について、憲法違反および刑訴法411条の職権破棄事由がある旨を主張して争った事案である。 第…