判旨
被告人の行為に適用されるべき昭和21年勅令第311号違反の罪について、大赦令が公布された場合には、刑事訴訟法337条3号に基づき免訴を言い渡すべきである。併合罪の一部に免訴事由があるときは、当該部分を免訴とした上で、残余の罪について刑を量定する。
問題の所在(論点)
併合罪として起訴された犯罪事実のうち、一部の罪について訴訟手続中に大赦があった場合、裁判所はどのような裁判をすべきか。また、残余の罪の処断はどうあるべきか。
規範
1. 併合罪の関係にある複数の公訴事実のうち、一部の事実について大赦(大赦令)があったときは、裁判所は当該部分について免訴の判決を言い渡さなければならない(刑事訴訟法337条3号)。 2. 大赦があった罪以外の残余の罪については、別途法令を適用し、その刑期範囲内において適当な刑を量定する。
重要事実
被告人は、昭和21年勅令第311号違反の罪および外国人登録令違反の罪に問われ、第一審および原審で有罪判決を受けていた。しかし、上告審の係属中に「大赦令(昭和27年政令第117号)」が公布され、昭和21年勅令第311号違反の罪がその対象となった。
あてはめ
1. 本件公訴事実のうち、昭和21年勅令第311号違反の点については、昭和27年政令第117号により大赦があったことが認められる。したがって、刑事訴訟法337条3号に基づき、免訴の言い渡しを免れない。 2. 他方、外国人登録法附則3項、外国人登録令12条1項、3条に該当する事実(外国人登録令違反)については大赦の影響を受けない。したがって、この残余の罪について懲役刑を選択し、その刑期範囲内で被告人を懲役3月に処するのが相当である。
結論
原判決および第一審判決を破棄する。昭和21年勅令第311号違反の点については免訴とし、外国人登録令違反の罪について被告人を懲役3月に処する。
事件番号: 昭和26(あ)2715 / 裁判年月日: 昭和27年10月10日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実が判決確定前の大赦の対象となった場合、裁判所は刑訴法337条3号に基づき免訴の言渡しをしなければならない。本件では昭和21年勅令第311号違反の事実が大赦令に該当するため、当該部分につき免訴が言い渡された。 第1 事案の概要:被告人は昭和21年勅令第311号違反(ポツダム宣言受諾に伴い発せ…
実務上の射程
併合罪の一部について免訴事由(時効完成や大赦等)が生じた場合の処理手続を示す典型例である。答案上は、数個の事実が起訴されている場合に、個別に訴訟条件を検討し、条件を欠く部分のみを免訴とした上で、残りの事実に即して有罪・無罪および量刑を判断する実務慣行の根拠となる。
事件番号: 昭和26(あ)665 / 裁判年月日: 昭和27年10月10日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令の施行により公訴事実の一部について大赦があった場合、当該事実については免訴の言渡しをすべきであり、大赦にかからない他の事実については別途刑を量定すべきである。 第1 事案の概要:被告人は、昭和21年勅令第311号違反、同幇助、及び関税法違反幇助の罪に問われていた。第一審および原審(控訴審)で…
事件番号: 昭和27(あ)1574 / 裁判年月日: 昭和27年11月7日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合には、裁判所は職権で調査し、当該部分につき免訴の言渡しをしなければならない。また、残る犯罪事実については、新旧法の比較により刑の軽い行為時法を適用して処断すべきである。 第1 事案の概要:被告人は関税法違反および昭和21年勅令311号違反の事実で起訴され、下級…
事件番号: 昭和26(あ)248 / 裁判年月日: 昭和27年10月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】上告審の審理中に大赦令が公布された場合、刑事訴訟法411条5号に基づき職権で原判決を破棄し、免訴の言渡しをすべきである。また、複数の罪について併合罪等の関係にある場合、大赦の対象外である罪については適法な法令を適用して改めて刑を言い渡す。 第1 事案の概要:被告人は、昭和21年勅令311号違反幇助…