平成元年政令第二七号(大赦令)により免訴となった事例‐いわゆる在日韓国人指紋不押なつ事件‐
平成元年政令27号,刑訴法337条3号,刑訴法411条5号,外国人登録法14条1項,外国人登録法18条1項8号
判旨
被告事件について大赦があったときは、刑事訴訟法337条3号に基づき、判決で免訴を言い渡さなければならない。
問題の所在(論点)
被告事件について大赦があった場合、裁判所はどのような裁判をすべきか。
規範
刑事訴訟法337条3号は、被告事件について大赦があったときは判決で免訴を言い渡すべき旨を定めている。また、上告審において免訴事由があることが判明した場合には、同法411条5号に基づき職権で原判決を破棄し、自判により免訴を言い渡すことができる(同法413条但書、414条、404条)。
重要事実
被告人に対する刑事事件の審理が継続していたところ、平成元年2月24日、昭和天皇の大喪の礼に際して「大赦令(平成元年政令第27号)」が公布・施行された。この大赦の対象に、本件被告人の公訴事実が含まれていた。
あてはめ
本件被告事件について、平成元年政令第27号による大赦があったことは職権調査により明らかである。大赦は刑罰権を消滅させる国家の恩赦の一種であり、これにより刑事訴訟法337条3号に規定する免訴事由に該当することとなった。したがって、実体的な有罪・無罪の審理を継続することはできず、訴訟を打ち切る免訴判決を言い渡すべきである。
結論
原判決及び第一審判決を破棄し、被告人を免訴する。
実務上の射程
本判決は、大赦という極めて限定的な場面での判断であるが、実務上は免訴判決(刑訴法337条)が「形式裁判」として実体審理に優先することを端的に示している。答案上は、公訴棄却事由や免訴事由が判明した際、裁判所が実体判決ではなく形式判決をすべき法的根拠を確認する際に参照される。
事件番号: 昭和62(あ)231 / 裁判年月日: 平成元年7月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】公訴事実の一部について大赦があった場合、裁判所は刑事訴訟法337条3号に基づき免訴の言渡しをしなければならない。また、大赦の対象外の罪数については、適法に認定された事実に基づき改めて刑を科すべきである。 第1 事案の概要:被告人両名は、昭和57年法律第75号による改正前の外国人登録法違反(18条1…
事件番号: 昭和63(あ)1152 / 裁判年月日: 平成元年7月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令(平成元年政令第27号)の施行により、対象となる罪名(外国人登録法違反等)の公訴事実については免訴の言渡しをすべきである。 第1 事案の概要:被告人は外国人登録法違反およびその他の罪により起訴され、第一審および控訴審において有罪判決(外国人登録法違反につき罰金1万円、その余につき懲役4月)を…