平成元年政令第二七号(大赦令)により免訴となった事例−いわゆる在日韓国人指紋不押なつ事件−
平成元年政令27号,刑訴法337条3号,刑訴法411条5号,外国人登録法14条1項,外国人登録法18条1項8号
判旨
公訴事実である指紋不押なつの罪について、その後に政令により大赦があった場合には、刑訴法337条3号に基づき免訴を言い渡すべきである。
問題の所在(論点)
公訴提起後の上告審継続中に、対象となる犯罪事実について大赦があった場合、裁判所はどのような判断を下すべきか。また、大赦の対象外である他の罪状についてはどのように扱うべきか。
規範
公訴の提起があった事件について、大赦があったときは、判決で免訴の言渡しをしなければならない(刑事訴訟法337条3号)。また、上告審において大赦があったことが判明した場合には、職権により原判決を破棄し、自判により免訴を言い渡すことができる(同法411条5号、413条但書)。
重要事実
被告人は、外国人登録法に基づく指紋の押なつを拒否した(指紋不押なつ)ほか、外国人登録証明書の受領を拒否したとして起訴された。第一審および控訴審は被告人をいずれも有罪としたが、上告審の継続中に「平成元年政令第27号」により、指紋不押なつの点について大赦が実施された。
あてはめ
本件公訴事実のうち、各指紋不押なつの点については、平成元年政令第27号による大赦の対象に含まれている。したがって、当該部分については実体的な有罪・無罪の判断をすることなく、免訴を言い渡すべき事由に該当する。一方で、外国人登録証明書不受領の点については大赦の対象外であり、原判決の認定事実に法律を適用すると依然として有罪(外国人登録法違反)と認められる。
結論
指紋不押なつの点については免訴とし、その他の罪(外国人登録証明書不受領)については罰金1万5000円(執行猶予2年)に処する。
実務上の射程
訴訟条件が事後的に欠如した場合の処理を示す。答案上では、刑訴法337条各号の免訴事由(特に大赦や刑の廃止)が発生した際の、職権調査事項としての処理と主文の書き方の参考となる。
事件番号: 昭和61(あ)1131 / 裁判年月日: 平成元年7月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】被告事件について大赦があったときは、刑事訴訟法337条3号に基づき、判決で免訴を言い渡さなければならない。 第1 事案の概要:被告人に対する刑事事件の審理が継続していたところ、平成元年2月24日、昭和天皇の大喪の礼に際して「大赦令(平成元年政令第27号)」が公布・施行された。この大赦の対象に、本件…
事件番号: 昭和63(あ)1152 / 裁判年月日: 平成元年7月14日 / 結論: その他
【結論(判旨の要点)】大赦令(平成元年政令第27号)の施行により、対象となる罪名(外国人登録法違反等)の公訴事実については免訴の言渡しをすべきである。 第1 事案の概要:被告人は外国人登録法違反およびその他の罪により起訴され、第一審および控訴審において有罪判決(外国人登録法違反につき罰金1万円、その余につき懲役4月)を…