判旨
外国人登録法(改正前の外国人登録令)において、新登録申請をなす資格を有しない者が、資格があるかのように装って虚偽の申請を行う行為は、同令違反として処罰の対象となる。また、具体的な証拠に基づかない差別的取扱いの主張は、憲法違反の上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
改正外国人登録令附則第2項に基づく申請資格がない者が虚偽の申請を行った場合に、同令違反として処罰されるか。また、具体的な証拠がない状況での差別的取扱いの主張が違憲審査の対象となるか。
規範
外国人登録制度における登録申請義務に違反し、申請資格がないにもかかわらず虚偽の申請を行う行為は、行政管理の適正確保を目的とする罰則の適用対象となる。また、憲法14条等の違憲主張については、事実審において差別的取扱いを認めるべき具体的な証跡が必要であり、単なる抽象的な主張や前提を欠く主張は上告理由として不適法である。
重要事実
被告人は、改正外国人登録令附則第2項に基づく新登録申請を行う資格を有していなかった。しかし、被告人は当該資格があるかのように装い、虚偽の申請を行ったとして起訴された。被告人側は、自身が「貧困なる韓国人」であることを理由に差別的取扱いを受けた等として違憲および法令違反を主張し、上告した。
あてはめ
原判決によれば、被告人は新登録申請の資格を有しないにもかかわらず、資格があるかのように虚偽の申請を行った事態が認定されている。この点に関し、弁護人は単なる訴訟法違反や事実誤認を主張するに留まり、適法な上告理由を構成していない。また、差別的取扱いによる違憲主張については、被告人が貧困ゆえに差別されたという証跡が事実審において認められず、前提を欠く主張であるといえる。
結論
被告人による虚偽の申請行為は処罰の対象となり、また具体的な立証を欠く違憲主張は認められないため、上告を棄却する。
実務上の射程
外国人登録制度における虚偽申請の処罰根拠を確認する事案である。答案上では、行政上の届出・申請制度において資格を偽る行為の可罰性や、具体的根拠を欠く違憲主張の不適法性を指摘する際の参考となるが、本判決自体は極めて簡潔な決定であるため、手続的な上告理由の判断枠組みとしての利用が主となる。
事件番号: 昭和28(あ)3713 / 裁判年月日: 昭和28年11月24日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由として違憲の主張をする場合には、対象となる法令が憲法のどの条項に、なぜ違反するのかという具体的理由を摘示しなければならず、単に法令が違憲であると述べるだけでは不適法である。 第1 事案の概要:被告人が出入国管理令違反等の罪に問われた事案において、弁護人は上告趣意書の中で出入国管理令が違憲で…
事件番号: 昭和28(あ)948 / 裁判年月日: 昭和31年5月4日 / 結論: 破棄自判
昭和二二年勅令第二〇七号外国人登録令施行当時、同令第四条第一項附則第二項に違反し同令第一二条第二号の罪を犯した者が、昭和二四年政令第三八一号改正令施行後まで所定の登録申請をしなかつた場合には、新法である右改正令第一三条第一号を適用し処断すべきである。 (裁判官池田克の補足意見) 右改正令の施行に当つての経過法を定めた附…