判旨
本判決は、刑法における共同正犯の成立に関し、特定の犯罪事実を共同で実行したと認められる場合には、刑法60条を適用して処断することが正当である旨を示した。
問題の所在(論点)
被告人両名の行為について、刑法60条の共同正犯としての責任を問うことができるか。また、原判決の認定に刑訴法411条を適用して破棄すべき重大な誤りがあるか。
規範
共同正犯(刑法60条)が成立するためには、二人以上が共同して犯罪を実行したという客観的事実およびその意思(共謀)が必要とされる。原判決が認定した事実関係に基づき、各被告人の行為が特定の犯罪の実行を分担し、または共同の意思に基づき行われたと認められる場合には、同条の適用が認められる。
重要事実
被告人両名が、特定の犯罪行為(具体的な罪名は提示された判決文からは不明)について、共同して実行したとして起訴された事案である。一審および二審において共同正犯の成立が認められ有罪判決を受けたため、弁護人が刑訴法405条の上告理由(憲法違反または判例違反)を主張して上告した。
あてはめ
最高裁判所は記録を精査した結果、原判決の認定に不合理な点はなく、被告人両名の行為は共同正犯の要件を満たすと判断した。弁護人が主張する上告理由は、刑訴法405条が規定する憲法違反や判例違反のいずれにも該当せず、また、職権で判決を破棄すべき顕著な正義に反する事情(同411条)も認められない。
結論
被告人両名の共同正犯の成立を認めた原判決は正当であり、本件各上告を棄却する。
実務上の射程
本判決自体は極めて簡潔な棄却判決であり、具体的な共同正犯の成立要件の詳細を判示するものではない。しかし、上告審において実体法上の解釈(刑法60条)や手続法上の過誤が争われた際に、原審の認定を維持する典型的な形式を示すものとして位置づけられる。
事件番号: 昭和28(あ)4925 / 裁判年月日: 昭和29年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】共犯者が相互に他の者の行為を利用して自己の意思を遂げようとする「共同犯行の認識」があれば、共同正犯の成立を認めることができる。 第1 事案の概要:本件において、被告人両名は、犯罪の実行にあたって互いの行為を認識し合っていた。原判決(下級審)は、両名の間において共同で犯行に及ぶことについての認識が成…