判旨
刑事訴訟法における上告理由の制限に関し、実質的に事実誤認を主張するものは、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
弁護人が主張する上告趣意が、法律上の上告理由として認められるべきものか、それとも単なる事実誤認の主張であって不適法なものかが争点となった。
規範
上告趣意が実質的に事実誤認の主張に帰する場合には、刑事訴訟応急措置法13条2項(現行の刑事訴訟法405条各号参照)に規定する適法な上告理由には該当しない。
重要事実
被告人側が原判決に対して上告を申し立て、弁護人が上告趣意書を提出した。しかし、その主張内容は原審の事実認定の不当を訴えるものであった。
あてはめ
弁護人の主張内容を検討すると、結局のところ事案(事実)の認定が誤っているという不服申し立てに帰着する。これは、上告審において審理対象となるべき憲法違反や判例違反といった限定された上告理由を構成するものではない。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事訴訟法上の上告審において、事実誤認の主張は直ちに棄却の対象となることを示している。答案作成上は、被告人が事実関係を争っている場合でも、上告理由としては憲法違反や判例違反(刑訴法405条)に引き直して構成する必要があることを再確認させる事例である。
事件番号: 昭和25(あ)2937 / 裁判年月日: 昭和26年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が事実誤認、量刑不当、または単なる訴訟法違反にすぎない場合は、刑事訴訟法405条所定の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人側は、原判決に対して上告を提起したが、その主張内容は事実誤認、量刑不当、および単なる訴訟法違反を理由とするものであった。判決文からは具体的な事件の罪状や背景…