判旨
被告人の上告趣意が単なる量刑不当の主張に帰する場合、それは刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行法上の上告理由)に該当せず、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
被告人が主張する「量刑不当」は、刑事訴訟法上の適法な上告理由として認められるか。
規範
上告趣意が実質的に量刑不当の主張にすぎない場合には、上告を適法とする理由にはならない。
重要事実
被告人の弁護人は、原判決の刑の量定が重すぎることを理由として上告を申し立てた。
あてはめ
弁護人が提出した上告趣意を検討したところ、その内容は結局のところ量刑が不当であるという主張に帰着する。刑事訴訟法応急措置法13条2項(当時)の規定に照らせば、このような主張は同条が定める上告理由のいずれにも該当しないと解される。
結論
本件上告は、適法な上告理由を欠くため棄却される。
実務上の射程
現行の刑事訴訟法405条においても、上告理由は憲法違反や判例違反に限定されており、単なる量刑不当は上告理由とならない。実務上、上告理由の適格性を判断する際の基礎的な先例である。ただし、死刑または無期若しくは長期3年を超える懲役若しくは禁錮の刑が言い渡された事件については、著しく刑の量定が不当であることを理由に上告審が職権で破棄しうる(刑訴法411条2号)点に留意が必要である。
事件番号: 昭和26(れ)310 / 裁判年月日: 昭和26年5月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認および量刑不当の主張は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、上告の適法な理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人両名が刑事事件において上告を提起した際、弁護人が主張した上告理由は事実誤認および量刑不当に帰するものであった。 第2 問題の所在(論点):刑事訴訟法上、事実誤認および量刑不当の…