判旨
上告理由が実質的に量刑不当の主張に帰する場合、当時の刑事訴訟法応急措置法に基づき、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
量刑不当の主張が、当時の刑事訴訟手続において適法な上告理由(刑事訴訟法応急措置法13条2項)に該当するか。
規範
刑事訴訟法(施行当時の応急措置法13条2項等)において、単なる量刑不当の主張は適法な上告理由として認められない。
重要事実
被告人の弁護人が上告を提起したが、その上告趣意の内容は、実質的には原判決の量刑が不当であると主張するものであった。
あてはめ
弁護人の主張を検討すると、その内容は結局のところ量刑不当の主張に帰するものである。当時の法制下では、上告審は法律審であり、量刑の当否は原則として上告理由から除外されていたため、本件の主張は適法な理由を欠くと評価される。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
現行刑訴法405条との関係では、上告理由は限定されており、単なる量刑不当は405条各号に含まれない。ただし、411条2号(刑の量定が著しく不当であること)による職権破棄の対象とはなり得るため、実務上は死刑や無期懲役などの重罪事案において考慮の余地が残る点に注意が必要である。
事件番号: 昭和26(れ)348 / 裁判年月日: 昭和26年6月19日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人の主張が単なる量刑不当の主張に帰する場合、それは当時の刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人が原判決の刑の重さを不服として上告を申し立てた事案。上告趣意書において示された主張の内容を検討したところ、その実質が量刑の当否を争うものであった。 …