判旨
弁護人が正当な理由なく公判期日に欠席した場合、その期日に告知された次回の公判期日(判決言渡期日等)の指定の効果は、欠席した弁護人に対しても及ぶ。
問題の所在(論点)
適法な呼出しを受けながら正当な理由なく公判を欠席した弁護人に対し、その欠席した期日に告知された次回期日の指定の効力が及ぶか(刑事訴訟法における期日告知の効力範囲)。
規範
適法な呼出しを受けた弁護人が、正当な理由なく公判期日に欠席した場合、その欠席した期日において適式に告知された次回の公判期日の指定の効果は、当該弁護人に対しても当然に及ぶものと解する。
重要事実
被告人Bの弁護人は、第一回公判期日に際して適法な呼出しを受けていたが、正当な理由を示すことなく同回公判を欠席した。当該第一回公判期日において、次回の公判期日(判決言渡期日)が第二回公判期日として適式に告知された。その後、弁護人はこの期日指定の効力について、訴訟法違反を主張して上告した。
あてはめ
本件弁護人は、第一回公判期日について事前に適法な呼出しを受けており、出頭すべき義務があった。それにもかかわらず、正当な理由なく自らの意思で欠席したのであるから、その期日に進行した訴訟手続の結果、特に次回の判決言渡期日の指定という手続上の告知内容は、欠席した弁護人自らが甘受すべき不利益といえる。したがって、別途の呼出しを要せず、告知の効力は当該弁護人に及んでいると評価される。
結論
弁護人は次回期日指定の効果を甘受すべきであり、期日告知の手続に違法はない。上告棄却。
実務上の射程
弁護人の不出頭という不誠実な訴訟態度がある場合に、裁判所が期日指定を改めて個別に通知する義務を負わないことを示した。公判の迅速な進行を確保する観点から、弁護人の責めに帰すべき欠席がある際の期日指定の効力を肯定する実務上の根拠となる。
事件番号: 昭和25(あ)1590 / 裁判年月日: 昭和26年7月24日 / 結論: 棄却
記録によれば、原審裁判所が弁護人木原主計の第一回公判期日変更申請を許容しなかつたこと及び、同弁護人がその期日に公判に立会わないことは所論のとおりであるが、国選弁護人により被告人自身選定した右木原弁護人提出の控訴趣意書に基く弁論がなされたこと、その控訴趣意は簡単明白であり特に新たな事実証拠の取調を要する趣旨でもないこと及…