判旨
上告理由が実質的に量刑不当の主張に帰する場合、刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行刑訴法405条等参照)に基づき、適法な上告理由には当たらない。
問題の所在(論点)
量刑不当の主張のみを内容とする上告趣意が、適法な上告理由として認められるか。当時の刑事訴訟法応急措置法13条2項(および旧刑事訴訟法446条)の解釈が問題となる。
規範
上告趣意が、実質的に原判決の量刑が不当であるとの主張に帰着する場合には、適法な上告理由とは認められない(刑訴法405条各号所定の事由に該当しない)。
重要事実
被告人が原判決に対して上告を申し立てたが、その上告趣意の内容を検討したところ、実質的には原判決の量刑が重すぎる、あるいは不当であるという点に尽きるものであった。
あてはめ
被告人の主張する上告趣意は、形式のいかんを問わず、その実質を検討すれば結局のところ量刑不当の主張に帰するものである。刑事手続の規定に照らせば、このような主張は上告適法の理由には該当しないと解される。
結論
本件上告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
上告審が法律審であることに鑑み、単なる量刑不当の主張は原則として適法な上告理由にならないという実務上の鉄則を示すものである。現行法下(刑訴法405条、411条)でも、著しく刑の量定が不当な場合以外は、本判決と同様の枠組みで門前払い(棄却)される運用となる。
事件番号: 昭和26(れ)10 / 裁判年月日: 昭和26年3月29日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】事実誤認の主張は、刑事訴訟法応急措置法13条2項(現行法上の上告理由の制限と同様の趣旨)により、適法な上告理由とはならない。 第1 事案の概要:被告人が原判決の事実認定に不服があるとして上告を申し立てたが、その主張の内容は原判決の認定した事実関係を争うものであった。 第2 問題の所在(論点):事実…