判旨
上告趣意が原審の適法な事実認定を非難するにとどまる場合、憲法違反の主張はその前提を欠き、適法な上告理由とはならない。
問題の所在(論点)
適法に確定された事実を非難し、その非難に基づく違憲主張が、刑事訴訟法上の適法な上告理由となるか。
規範
憲法違反を上告理由とする場合、原審の認定した事実を前提とせずに、単に事実認定の不当を主張し、その事実誤認を前提として憲法違反を導き出す手法は、適法な上告理由を構成しない。
重要事実
上告人は原審の事実認定が不当であると非難した上で、その誤った事実認定に基づく判決が憲法に違反するものであると主張して上告を申し立てた。
あてはめ
上告人は憲法違反を主張するが、その実体は原審が適法に行った事実認定を非難するものである。このような主張は、判決の前提となる事実に異議を唱えるに過ぎず、原判決自体に憲法違反の瑕疵があることを論理的に示すものではないため、上告理由としての前提を欠く。
結論
本件上告は適法な上告理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
刑事訴訟において、事実誤認の主張を憲法違反にすり替えても上告理由は認められないことを示す。答案上は、上告理由の適法性を検討する際の「事実誤認は原則として上告理由にならない」という文脈で補足的に引用される。
事件番号: 昭和26(れ)177 / 裁判年月日: 昭和26年5月15日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】旧刑事訴訟法下において、弁護人が主張した上告趣意が単なる量刑不当に帰する場合、それは適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人の弁護人が上告を申し立て、上告趣意書を提出した。しかし、その主張内容は実質的に原判決の量刑が重すぎるという不当性を訴えるものであった。 第2 問題の所在(論点…
事件番号: 昭和25(れ)1702 / 裁判年月日: 昭和26年3月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】量刑不当または事実誤認を理由とする上告は、刑訴応急措置法13条2項に基づき、適法な上告理由には当たらない。 第1 事案の概要:被告人側は、原判決に対して量刑が不当であること、および事実誤認があることを理由として上告を申し立てた。 第2 問題の所在(論点):量刑不当および事実誤認の主張が、最高裁判所…
事件番号: 昭和26(れ)776 / 裁判年月日: 昭和26年9月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が単なる事実誤認や量刑不当の主張にすぎない場合、刑事訴訟法405条の上告理由に該当せず、職権で破棄すべき事由も認められない限り、上告は棄却される。 第1 事案の概要:被告人が、第一審または控訴審の判決に対し、事実誤認および量刑不当を理由として最高裁判所に上告を申し立てた事案。判決文には具体…
事件番号: 昭和26(れ)1314 / 裁判年月日: 昭和26年11月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本件は、上告理由が刑事訴訟法405条に該当せず、かつ同法411条を適用して判決を破棄すべき事由も見当たらないとして、上告を棄却したものである。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対して上告を申し立てたが、添付された判決文からは被告人が起訴された具体的な罪名や犯罪事実、および弁護人が主張した上告趣意…