判旨
判決書の作成年月日が誤記であっても、その誤りが明らかであれば、直ちに判決の無効や破棄事由にはならない。
問題の所在(論点)
判決書における作成年月日の誤記が、刑事訴訟法405条の上告理由、または同法411条の職権破棄事由に該当するか。
規範
判決書に記載された日付が誤記であることが明白な場合には、刑罰権の存否や内容の公証という判決書の機能は損なわれず、刑事訴訟法411条等の職権破棄事由には当たらない。
重要事実
原判決の作成年月日の記載が昭和26年3月5日であるべきところ、誤って別の年月日(具体的な誤記内容は判決文からは不明)が記載されていた事案。
あてはめ
本件における原判決の作成年月日の誤記は、記録を精査すれば昭和26年3月5日の誤記であることが明らかである。このように誤記が明白である以上、判決の正当性や効力に実質的な影響を及ぼす重大な過誤とはいえない。
結論
本件の誤記は明白な誤記にすぎず、上告理由には該当しないため、上告は棄却される。
実務上の射程
判決書の形式的記載事項に誤りがある場合でも、記録上その誤りが明白であれば、訴訟手続の法令違反や著しい不当には当たらないとする判断枠組みとして活用できる。
事件番号: 昭和24(れ)3081 / 裁判年月日: 昭和25年5月25日 / 結論: 棄却
所論九月六日の原審公判期日の調書には裁判長が次回期日を一〇月一一日と宣した旨明記されていることは記録上明らかなところであつて、所論に主張するような理由をもつてこの調書に明記された公判期日の記載を誤りなりとすることのできないことは舊刑訴法六四條の規定に照して明らかなところである。されば所論九月六日の公判期日に出頭していた…