判旨
最高裁判所への抗告が認められるのは、憲法適合性の判断の不当を理由とする場合に限られ、原決定の認定しない事実を前提として不服を申し立てることは認められない。
問題の所在(論点)
事実誤認や原決定の認定しない事実を前提とした不服申し立てが、刑訴応急措置法18条にいう「憲法に適合するかしないかについてした判断が不当であることを理由とする」ものに該当し、適法な抗告理由となるか。
規範
最高裁判所に対し抗告を申し立てることができるのは、刑訴応急措置法18条に基づき、原決定における「憲法に適合するかしないかについてした判断が不当であること」を理由とする場合に限定される。
重要事実
抗告人らが原決定に対して抗告を申し立てた事案。抗告理由は、原決定が認定していない事実を前提として、原決定の判断を非難するものであった。
あてはめ
本件抗告理由は、原決定が認定していない事実を前提に原決定を非難する内容にすぎない。これは原決定における憲法判断の不当を争うものとはいえず、刑訴応急措置法18条が規定する限定的な抗告理由に該当しないと解される。
結論
本件抗告は適法な理由を欠くため、棄却されるべきである。
実務上の射程
旧刑事訴訟法下における最高裁への特別抗告等の理由を制限した判例であるが、現代の刑事訴訟法433条に基づく特別抗告においても、単なる事実誤認や事実前提の相違を理由とする申し立てが制限される趣旨として参照しうる。
事件番号: 昭和26(れ)1038 / 裁判年月日: 昭和26年10月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人らの上告趣旨は事実誤認、量刑不当等の刑事訴訟法405条に該当しない事項を主張するものであり、記録を精査しても職権破棄事由である411条を適用すべき事情は認められないため、上告を棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原判決の事実認定の誤りや量刑の不当、あるいは訴訟手続上の…