判旨
特別抗告の申立てが法定の申立期間経過後にされた場合には、裁判所は刑事訴訟法434条、426条に基づき、当該申立てを棄却すべきである。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法433条に基づく特別抗告において、法定の申立期間を経過した後の申立てがあった場合、裁判所はいかなる判断を下すべきか。
規範
特別抗告の申立てについては、一般の抗告の規定が準用され、法定の申立期間(決定の告知を受けた日から5日以内、刑事訴訟法422条)を徒過した後の申立ては、不適法として棄却の対象となる(同法434条、426条)。
重要事実
被告人および弁護人が、原決定の謄本の送達を受けた日は昭和26年6月9日であった。しかし、被告人側が本件抗告の申立てを行ったのは、同年7月4日であった。
あてはめ
本件において、抗告申立てがなされた昭和26年7月4日は、決定謄本の送達を受けた同年6月9日から起算して25日後である。これは刑事訴訟法に定める法定の申立期間を経過していることが記録上明らかである。したがって、本件申立ては不適法な期間経過後の申立てに該当すると評価される。
結論
本件抗告は法定の申立期間経過後にされたものであり、不適法であるため棄却する。
実務上の射程
特別抗告においても抗告期間の制限があり、期間徒過が明らかな場合は内容の判断に踏み込むことなく形式不備(期間徒過)により棄却されるという手続的規律を確認するものである。実務上は、告知を受けた日からの期間計算を厳格に行う必要がある。
事件番号: 昭和26(し)57 / 裁判年月日: 昭和26年10月6日 / 結論: 棄却
高等裁判所がした控訴棄却の決定に対し、自己又は代人の責に帰することができない事由により所定の期間内に異議の申立をすることができなかつた場合には、上訴権の回復の規定の準用がある。
事件番号: 昭和46(し)28 / 裁判年月日: 昭和46年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と弁護人の双方に送達された。送達日は被告人が昭和46年4月9日、弁護人が同月12日であった。弁護人は、自身の受領日を…
事件番号: 昭和46(し)76 / 裁判年月日: 昭和46年9月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条2項に基づく特別抗告の申立期間(5日間)は、決定の謄本が被告人に送達された日から起算される。本件では、書留郵便による送達から5日を経過した後の申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対し、本件原決定の謄本が昭和46年7月23日に書留郵便に付される方法によって送…
事件番号: 昭和29(し)26 / 裁判年月日: 昭和29年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所がした保釈却下の決定は、刑訴法428条に基づき異議の申立てが可能であるため、同法433条1項の「不服を申し立てることができない決定」には当たらず、直接の特別抗告は不適法である。 第1 事案の概要:被告人(抗告人)に対し、高等裁判所が保釈却下の決定を行った。これに対し、被告人が直接、最高裁…
事件番号: 昭和36(す)287 / 裁判年月日: 昭和36年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所の決定に対する抗告の提起期間は、被告人本人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、被告人本人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人に対し、高等裁判所がなした決定の謄本が昭和36年7月8日に送達された。その後、同年7月12日には弁護人に対しても同決定の謄本が送達され…