判旨
被告人および弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
被告人と弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、刑事訴訟法433条2項に定める5日の抗告申立期間は、いずれの送達時から進行を開始するか(期間の起算点)。
規範
刑事訴訟法433条2項に定める5日の提起期間は、裁判の告知を受けた時から進行する。被告人と弁護人の双方に謄本が送達された場合、期間の起算点は被告人本人に対する送達時を基準とすべきである。
重要事実
準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と弁護人の双方に送達された。送達日は被告人が昭和46年4月9日、弁護人が同月12日であった。弁護人は、自身の受領日を基準として5日以内となる同年4月15日に本件抗告を申し立てた。
あてはめ
本件では、被告人本人への送達日は4月9日である。前述の規範によれば、抗告期間は被告人への送達時から進行を開始するため、4月9日が起算点となる。これに対し、本件抗告の申立ては4月15日になされており、起算点から5日の期間を経過しているといえる。
結論
本件抗告は、刑事訴訟法433条2項の期間経過後にされた不適法な申立てであるため、棄却される。
実務上の射程
特別抗告のみならず、裁判書の送達を起算点とする不服申立期間全般に適用される。実務上、弁護人が後から受領した場合でも、被告人の受領日を確認し、遅い方の送達日を基準にできるという特例はないことに注意が必要である。
事件番号: 昭和43(し)20 / 裁判年月日: 昭和43年6月19日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
事件番号: 昭和60(し)20 / 裁判年月日: 昭和60年3月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合における特別抗告の申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を始める。 第1 事案の概要:被告人に対し昭和60年2月16日に、弁護人に対し同月18日に、それぞれ原決定の謄本が送達された。これに対し、被告人側は同年2月22日に特別抗告の申立てを行…
事件番号: 昭和43(し)83 / 裁判年月日: 昭和43年10月25日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
事件番号: 昭和45(し)4 / 裁判年月日: 昭和45年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告棄却決定の謄本について、被告人には昭和45年1月2日に送達され、弁護人には同月8日に送達された。その後、昭和45年1月13日に本件抗告(特別抗告)の申立てがな…
事件番号: 昭和26(し)56 / 裁判年月日: 昭和26年8月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立てが法定の申立期間経過後にされた場合には、裁判所は刑事訴訟法434条、426条に基づき、当該申立てを棄却すべきである。 第1 事案の概要:被告人および弁護人が、原決定の謄本の送達を受けた日は昭和26年6月9日であった。しかし、被告人側が本件抗告の申立てを行ったのは、同年7月4日であっ…