保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定謄本が被告人と弁護人との双方に日を異にして送達された場合と抗告申立期間の起算日
刑訴法88条1項,刑訴法41条,刑訴法355条,刑訴法358条,刑訴法433条,刑訴規則34条
判旨
被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、抗告申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合において、刑訴法433条2項に定める抗告申立期間は、いずれの送達時を基準として進行するか。
規範
刑事訴訟法上の抗告申立期間の起算点について、被告人と弁護人の双方に対して決定の謄本が送達された場合には、その送達の日の前後を問わず、被告人本人に対して送達された時を基準として期間の進行が開始されるものと解する。
重要事実
準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人には昭和43年10月3日に、申立人である弁護人らには同年10月4日にそれぞれ送達された。弁護人は、同年10月9日に本件抗告(特別抗告)の申立てを行ったが、これが法定の申立期間(5日)を経過しているかどうかが争点となった。
事件番号: 昭和45(し)4 / 裁判年月日: 昭和45年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告棄却決定の謄本について、被告人には昭和45年1月2日に送達され、弁護人には同月8日に送達された。その後、昭和45年1月13日に本件抗告(特別抗告)の申立てがな…
あてはめ
本件では、被告人本人への送達日は10月3日であり、弁護人への送達日は10月4日である。規範に照らせば、抗告申立期間は被告人本人に送達された10月3日から進行を開始する。したがって、5日の申立期間は10月8日の経過をもって満了する。弁護人が抗告の申立てをしたのは10月9日であり、期間満了後の申立てであるといえる。
結論
本件抗告は、刑訴法433条2項に定める期間経過後になされた不適法なものであるため、棄却されるべきである。
実務上の射程
特別抗告のみならず、通常の抗告期間についても同様の理が妥当する。実務上、弁護人への送達が遅れた場合でも被告人への送達が先行していれば期間は進行するため、弁護士は被告人本人への送達日を速やかに確認し、早期に不服申立手続を執る必要がある。
事件番号: 昭和43(し)95 / 裁判年月日: 昭和43年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判の告知(送達)が被告人本人と弁護人の双方に対してなされた場合、抗告申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:弁護人Aが、即時抗告申立棄却決定に対して特別抗告を申し立てた事案。当該決定謄本は、被告人本人には昭和43年10月27日に、弁護人Aには同年10月2…
事件番号: 昭和43(し)20 / 裁判年月日: 昭和43年6月19日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
事件番号: 昭和46(し)28 / 裁判年月日: 昭和46年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と弁護人の双方に送達された。送達日は被告人が昭和46年4月9日、弁護人が同月12日であった。弁護人は、自身の受領日を…
事件番号: 昭和51(し)77 / 裁判年月日: 昭和51年9月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立期間(刑訴法433条2項)は、裁判の謄本が被告人本人と弁護人の双方に送達された場合、その先後に関わらず被告人本人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人および弁護人に対し、原決定の謄本が送達された。被告人に対する送達は昭和51年7月16日、弁護人に対する送達は同月…