原決定が弁護人、被告人の双方に日を異にして送達された場合の特別抗告期間の起算日
刑訴法433条
判旨
特別抗告の申立期間(刑訴法433条2項)は、裁判の謄本が被告人本人と弁護人の双方に送達された場合、その先後に関わらず被告人本人に送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
刑訴法433条2項に定める5日の抗告申立期間の起算点について、被告人と弁護人の双方に謄本が送達された場合、いずれの送達時を基準とすべきかが問題となる。
規範
裁判の謄本が被告人と弁護人の双方に送達された場合における抗告申立の期間は、弁護人への送達日に関わらず、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。
重要事実
被告人および弁護人に対し、原決定の謄本が送達された。被告人に対する送達は昭和51年7月16日、弁護人に対する送達は同月17日であった。弁護人は、同年7月22日に特別抗告の申し立てを行った。
あてはめ
本件では、被告人本人に対する送達日は7月16日である。これに対し、弁護人に対する送達日は翌17日であるが、期間の進行は被告人本人への送達を基準とすべきである。起算日を16日とすると、5日の申立期間は7月21日に満了する。本件申立ては7月22日になされており、期間経過後の不適法なものといえる。
事件番号: 昭和43(し)83 / 裁判年月日: 昭和43年10月25日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
結論
本件抗告は、申立期間を経過した後にされた不適法なものであるため、棄却される。
実務上の射程
刑事訴訟における期間計算の原則を確認する判例である。被告人の防御権に配慮しつつも、手続の画一的進行を重視し、本人への送達を基準とする。実務上、弁護人は本人への送達日を確実に把握し、遅い方の送達を待たずに早期に申し立てる必要がある。
事件番号: 昭和31(し)46 / 裁判年月日: 昭和31年11月30日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法386条1項の規定による控訴棄却決定に対する異議申立ては、即時抗告の規定が準用され、その期間は3日である。期間経過後の不適法な異議申立てについては、自己等の責めに帰することのできない事由がある場合、上訴権回復の手続を併用すべきである。 第1 事案の概要:抗告人は、刑事訴訟法386条1項に…
事件番号: 昭和30(し)1 / 裁判年月日: 昭和30年10月5日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】控訴趣意書の提出最終日を弁護人に通知すべき義務は、当該最終日の指定当時において既に選任されている弁護人に対してのみ認められる。したがって、指定後に選任届が提出された弁護人に対しては、裁判所は改めて最終日の通知を行う必要はない。 第1 事案の概要:被告人は控訴を申し立てたが、裁判所が控訴趣意書の提出…
事件番号: 昭和36(す)287 / 裁判年月日: 昭和36年8月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】高等裁判所の決定に対する抗告の提起期間は、被告人本人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、被告人本人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人に対し、高等裁判所がなした決定の謄本が昭和36年7月8日に送達された。その後、同年7月12日には弁護人に対しても同決定の謄本が送達され…
事件番号: 昭和31(し)44 / 裁判年月日: 昭和31年12月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】法定の申立期限を経過した後の控訴棄却決定に対する異議申立については、刑訴法362条等の上訴権回復請求の規定が準用される。したがって、期限後に異議を申し立てる場合には、所定の期間内に上訴権回復の請求をすると同時に異議の申立をしなければならない。 第1 事案の概要:大阪高等裁判所は、被告人の横領事件に…