保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定謄本が被告人と弁護人との双方に日を異にして送達された場合と抗告申立期間の起算日
刑訴法88条1項,刑訴法41条,刑訴法355条,刑訴法358条,刑訴法433条,刑訴規則34条
判旨
被告人と弁護人の双方に裁判の謄本が送達された場合、抗告期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
被告人と弁護人の双方に裁判の謄本が送達された場合における、抗告期間(刑訴法433条2項、422条等)の起算点はいつか。また、弁護人が後から送達を受けた場合、その時点から期間を算定できるか。
規範
被告人と弁護人の双方に対し、同一の内容の裁判の謄本が送達された場合、抗告の申立期間の起算点は、被告人本人に対して送達された時を基準とする。
重要事実
弁護人が準抗告申立棄却決定に対して特別抗告を申し立てた。当該棄却決定の謄本は、被告人には昭和43年3月5日に、弁護人には同月7日にそれぞれ送達された。弁護人は、同年3月12日に本件抗告を申し立てた。刑訴法433条2項は、特別抗告の期間を5日と規定している。
事件番号: 昭和46(し)28 / 裁判年月日: 昭和46年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と弁護人の双方に送達された。送達日は被告人が昭和46年4月9日、弁護人が同月12日であった。弁護人は、自身の受領日を…
あてはめ
本件において、抗告期間は被告人に謄本が送達された3月5日から進行を開始する。この日から5日間の期間を計算すると、抗告期限は3月10日となる。弁護人が実際に抗告を申し立てたのは3月12日であり、被告人への送達を基準とする限り、法定期限を経過している。たとえ弁護人への送達が3月7日であったとしても、被告人本人への送達時を基準とすべきであるため、弁護人の申立ては不適法であると解される。
結論
本件抗告は不適法として棄却される。抗告期間は被告人本人への送達時から進行する。
実務上の射程
弁護人の固有の抗告権に基づく申立てであっても、期間の起算点は被告人への告知・送達を基準とするのが判例の確立した見解である。実務上、弁護人は被告人への送達日を速やかに把握し、最も早い基準日に合わせて申し立てる必要がある。
事件番号: 昭和43(し)83 / 裁判年月日: 昭和43年10月25日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
事件番号: 昭和60(し)20 / 裁判年月日: 昭和60年3月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合における特別抗告の申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を始める。 第1 事案の概要:被告人に対し昭和60年2月16日に、弁護人に対し同月18日に、それぞれ原決定の謄本が送達された。これに対し、被告人側は同年2月22日に特別抗告の申立てを行…
事件番号: 昭和45(し)4 / 裁判年月日: 昭和45年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告棄却決定の謄本について、被告人には昭和45年1月2日に送達され、弁護人には同月8日に送達された。その後、昭和45年1月13日に本件抗告(特別抗告)の申立てがな…
事件番号: 昭和43(し)81 / 裁判年月日: 昭和43年11月20日 / 結論: 棄却
本件特別抗告の提起期間は、昭和四三年九月二四日までであるところ、本件特別抗告の申立書は、同日午後五時一五分最高裁判所に差し出されたが、翌二五日原裁判所である東京地方裁判所に回送されて到達したものであるから、本件特別抗告の申立は、提起期間経過後のものであつて、不適法である。