原決定の謄本が被告人本人と弁護人の双方に日を異にして送達された場合と特別抗告申立期間の起算日
刑訴法433条2項
判旨
被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合における特別抗告の申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を始める。
問題の所在(論点)
被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、刑事訴訟法433条2項の特別抗告申立期間(5日間)の起算点はいつか。
規範
刑事訴訟法433条2項に定める抗告申立期間は、決定の告知を受けた日から進行するところ、被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合には、最初になされた送達(被告人本人に対する送達)の時から期間が進行し始めるものと解する。
重要事実
被告人に対し昭和60年2月16日に、弁護人に対し同月18日に、それぞれ原決定の謄本が送達された。これに対し、被告人側は同年2月22日に特別抗告の申立てを行った。
あてはめ
本件において、被告人本人への送達日は2月16日であり、弁護人への送達日は2月18日である。規範に照らせば、起算点は最初に行われた被告人本人への送達時(2月16日)となる。この日から5日の期間を計算すると、申立期限は2月21日となる。しかし、実際の申立ては2月22日になされており、法定期間を徒過しているといえる。
事件番号: 昭和46(し)28 / 裁判年月日: 昭和46年4月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と弁護人の双方に送達された。送達日は被告人が昭和46年4月9日、弁護人が同月12日であった。弁護人は、自身の受領日を…
結論
本件抗告は、法定の申立期間経過後になされたものであり、不適法であるとして棄却される。
実務上の射程
裁判書等の送達が複数人になされた場合の期間計算に関する実務上の原則を示すものである。弁護人が独自に上訴権を有する場合であっても、期間の起算点は被告人への送達時を基準とするという確立された判例法理(刑集6巻10号1213頁等)を再確認している。
事件番号: 昭和43(し)20 / 裁判年月日: 昭和43年6月19日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
事件番号: 昭和56(し)5 / 裁判年月日: 昭和56年1月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の提起期間について、被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、その期間は被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人に対し昭和55年12月29日に、弁護人に対し昭和56年1月6日に、それぞれ原決定の謄本が送達された。本件特別抗告の申立ては、昭和56年1…
事件番号: 昭和62(し)72 / 裁判年月日: 昭和62年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】決定謄本が被告人と弁護人の双方に送達された場合、抗告申立期間は、被告人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人および弁護人に対し、原決定の謄本が送達された。具体的には、被告人に対しては昭和62年6月25日に、弁護人に対しては同年6月26日にそれぞれ送達が完了した。これに対…
事件番号: 昭和43(し)83 / 裁判年月日: 昭和43年10月25日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。