裁判官忌避申立却下の裁判に対する準抗告棄却決定の謄本が被告人と弁護人の双方に日を異にして送達された場合の特別抗告期間の起算日
刑訴法433条
判旨
決定謄本が被告人と弁護人の双方に送達された場合、抗告申立期間は、被告人に対して送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法433条2項に定める特別抗告の提起期間(5日)の起算点について、被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、いずれの送達時を基準とすべきか。また、本件申立てが法定期間内になされたといえるか。
規範
刑事訴訟法上の抗告申立期間の起算点について、決定謄本が被告人と弁護人の双方に送達された場合には、先に送達を受けた被告人に対する送達時を基準として期間の進行が開始されるものと解する。
重要事実
被告人および弁護人に対し、原決定の謄本が送達された。具体的には、被告人に対しては昭和62年6月25日に、弁護人に対しては同年6月26日にそれぞれ送達が完了した。これに対し、抗告の申立てがなされたのは同年7月1日であった。
あてはめ
本件では、被告人への送達が6月25日であり、弁護人への送達(6月26日)よりも先に行われている。規範に照らせば、抗告期間の起算点は被告人に送達された6月25日となる。この日から起算して5日の提起期間を計算すると、7月1日になされた本件申立ては、既に法定の提起期間を経過しているといえる。
事件番号: 昭和52(し)102 / 裁判年月日: 昭和52年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立期間について、被告人と弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、その申立期間は、被告人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:特別抗告の申立てが昭和52年7月26日になされた事案。原決定の謄本は、被告人に対しては同年7月18日に、主任弁護人に対しては同年7月25…
結論
本件抗告申立ては、刑事訴訟法433条2項の提起期間を経過した後になされたものであり、不適法として棄却される。
実務上の射程
本判例は、被告人と弁護人の双方に書類送達がなされる実務において、不変期間の徒過を防ぐための重要な指針となる。答案上は、弁護人への送達が遅れたとしても、被告人への送達によって期間が進行し始める点に注意し、期間計算の起算点を誤らないよう論述する必要がある。
事件番号: 昭和44(し)76 / 裁判年月日: 昭和44年11月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の提起期間内に抗告申立書が最高裁判所に差し出されたとしても、期間内に原裁判所へ到達しない限り、不適法な申立てとなる。 第1 事案の概要:申立人は、昭和44年10月23日に原決定の送達を受けた。特別抗告の提起期間は同月28日までであった。申立人は、期限内である同月28日に最高裁判所へ特別抗告…
事件番号: 昭和44(し)80 / 裁判年月日: 昭和44年12月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】簡易裁判所がした裁判官忌避申立却下決定に対しては、刑事訴訟法429条1項1号に基づき管轄地方裁判所へ準抗告をすべきであり、直接最高裁判所に対して特別抗告をすることはできない。 第1 事案の概要:被告人が道路交通法違反被告事件において、簡易裁判所の裁判官に対して忌避の申立てを行った。簡易裁判所はこの…
事件番号: 昭和45(し)24 / 裁判年月日: 昭和45年4月30日 / 結論: 棄却
忌避申立却下決定に対する即時抗告棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された時から進行をはじめる。
事件番号: 昭和43(し)81 / 裁判年月日: 昭和43年11月20日 / 結論: 棄却
本件特別抗告の提起期間は、昭和四三年九月二四日までであるところ、本件特別抗告の申立書は、同日午後五時一五分最高裁判所に差し出されたが、翌二五日原裁判所である東京地方裁判所に回送されて到達したものであるから、本件特別抗告の申立は、提起期間経過後のものであつて、不適法である。