裁判官忌避申立却下の裁判に対する準抗告棄却決定の謄本が被告人と主任弁護人とに送達された場合の特別抗告提起期間の始期
判旨
特別抗告の申立期間について、被告人と弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、その申立期間は、被告人に対して送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
裁判書の謄本が被告人と弁護人の双方に異なるタイミングで送達された場合、特別抗告の申立期間(刑訴法433条2項)の起算点はいつか。
規範
刑事訴訟法433条2項に定める特別抗告の提起期間は、裁判書の謄本が被告人と弁護人の双方に送達された場合、弁護人への送達の成否や時期にかかわらず、被告人に対して送達された時(最初の送達時)から進行を開始する。
重要事実
特別抗告の申立てが昭和52年7月26日になされた事案。原決定の謄本は、被告人に対しては同年7月18日に、主任弁護人に対しては同年7月25日にそれぞれ送達されていた。刑訴法433条2項は提起期間を5日と定めている(※当時の法規定に基づく)。
あてはめ
本件において、被告人への送達日は7月18日であり、弁護人への送達日である7月25日よりも先になされている。期間の進行は被告人への送達時から開始するため、申立日である7月26日は、7月18日から起算して5日の提起期間を既に経過していると判断される。
結論
本件抗告は、提起期間経過後になされた不適法なものであるため、棄却を免れない。
事件番号: 昭和62(し)72 / 裁判年月日: 昭和62年7月20日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】決定謄本が被告人と弁護人の双方に送達された場合、抗告申立期間は、被告人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:被告人および弁護人に対し、原決定の謄本が送達された。具体的には、被告人に対しては昭和62年6月25日に、弁護人に対しては同年6月26日にそれぞれ送達が完了した。これに対…
実務上の射程
裁判書の送達を起算点とする不服申立期間について、被告人本人への送達が基準となることを示した実務上重要な判断である。弁護人への送達を待って期間を計算すると、期間徒過のリスクが生じるため、答案上も「被告人への送達時」を厳格な起算点として扱う必要がある。
事件番号: 昭和45(し)24 / 裁判年月日: 昭和45年4月30日 / 結論: 棄却
忌避申立却下決定に対する即時抗告棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された時から進行をはじめる。
事件番号: 昭和43(し)81 / 裁判年月日: 昭和43年11月20日 / 結論: 棄却
本件特別抗告の提起期間は、昭和四三年九月二四日までであるところ、本件特別抗告の申立書は、同日午後五時一五分最高裁判所に差し出されたが、翌二五日原裁判所である東京地方裁判所に回送されて到達したものであるから、本件特別抗告の申立は、提起期間経過後のものであつて、不適法である。
事件番号: 昭和43(し)83 / 裁判年月日: 昭和43年10月25日 / 結論: 棄却
保釈請求却下決定に対する準抗告申立棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された日から起算すべきである。
事件番号: 昭和46(し)76 / 裁判年月日: 昭和46年9月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条2項に基づく特別抗告の申立期間(5日間)は、決定の謄本が被告人に送達された日から起算される。本件では、書留郵便による送達から5日を経過した後の申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対し、本件原決定の謄本が昭和46年7月23日に書留郵便に付される方法によって送…