忌避申立却下決定に対する即時抗告棄却決定の謄本が、被告人と申立人である弁護人との双方に日を異にして送達された場合における抗告申立の期間は、被告人本人に送達された時から進行をはじめる。
忌避申立却下決定に対する即時抗告棄却決定謄本が被告人と弁護人との双方に日を異にして送達された場合と抗告申立期間の起算日
刑訴法21条,刑訴法41条,刑訴法355条,刑訴法358条,刑訴法433条
判旨
被告人と弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、特別抗告の申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。
問題の所在(論点)
刑事訴訟法433条2項に定める特別抗告の申立期間(5日)について、被告人と弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、その起算点はどちらの送達時を基準とすべきか。
規範
被告人と弁護人の双方が訴訟上の書類を受け取る場合において、不服申立期間の起算点となる送達の基準は、被告人本人に対して送達された時とする。
重要事実
被告人および主任弁護人の双方に対し、原決定の謄本が送達された。送達日は、被告人本人が昭和45年3月28日であり、主任弁護人が同月30日であった。被告人側は、同年4月4日に特別抗告の申し立てを行ったが、これが被告人への送達を基準とした場合に刑事訴訟法433条2項の5日の期間内といえるかが問題となった。
事件番号: 昭和46(し)76 / 裁判年月日: 昭和46年9月9日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】刑事訴訟法433条2項に基づく特別抗告の申立期間(5日間)は、決定の謄本が被告人に送達された日から起算される。本件では、書留郵便による送達から5日を経過した後の申立ては不適法として棄却される。 第1 事案の概要:被告人に対し、本件原決定の謄本が昭和46年7月23日に書留郵便に付される方法によって送…
あてはめ
本件における原決定謄本の送達日は、被告人本人が3月28日、主任弁護人が3月30日である。判例の判断枠組みによれば、不服申立期間は被告人本人に送達された時から進行するため、本件の起算日は3月28日となる。そこから5日の期間を計算すると、4月2日が期間満了日となる。したがって、4月4日になされた本件抗告の申し立ては、期間経過後になされたものと評価される。
結論
本件抗告の申し立ては、被告人に対する送達を基準とした期間経過後になされた不適法なものであるため、棄却される。
実務上の射程
特別抗告のみならず、上訴一般の申立期間の計算において、被告人と弁護人の双方に送達があった場合は『早い方の送達(通常は被告人本人)』が起算点となる実務上の準則を示す。被告人が拘束されている場合など、送達日がズレるケースでの期間管理において極めて重要な射程を持つ。
事件番号: 昭和40(し)45 / 裁判年月日: 昭和40年7月8日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立ては、法定の抗告提起期間内に申立書を原裁判所に提出して行わなければならず、直接最高裁判所に提出された申立書が期間経過後に原裁判所に到達した場合は不適法である。 第1 事案の概要:申立人は、福岡高裁宮崎支部による裁判官忌避申立却下決定の送達を昭和40年5月23日に受けた。特別抗告の提起…
事件番号: 昭和52(し)102 / 裁判年月日: 昭和52年9月14日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】特別抗告の申立期間について、被告人と弁護人の双方に裁判書の謄本が送達された場合、その申立期間は、被告人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:特別抗告の申立てが昭和52年7月26日になされた事案。原決定の謄本は、被告人に対しては同年7月18日に、主任弁護人に対しては同年7月25…
事件番号: 昭和45(し)4 / 裁判年月日: 昭和45年1月21日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人および弁護人の双方に決定謄本が送達された場合、特別抗告の提起期間は、被告人に送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:準抗告棄却決定の謄本について、被告人には昭和45年1月2日に送達され、弁護人には同月8日に送達された。その後、昭和45年1月13日に本件抗告(特別抗告)の申立てがな…
事件番号: 昭和43(し)95 / 裁判年月日: 昭和43年12月4日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判の告知(送達)が被告人本人と弁護人の双方に対してなされた場合、抗告申立期間は、被告人本人に対して送達された時から進行を開始する。 第1 事案の概要:弁護人Aが、即時抗告申立棄却決定に対して特別抗告を申し立てた事案。当該決定謄本は、被告人本人には昭和43年10月27日に、弁護人Aには同年10月2…