判旨
未決勾留日数を本刑に算入しないことは、憲法に違反するものではなく、裁判所の広範な裁量に属する事項である。
問題の所在(論点)
刑法21条に関連し、未決勾留日数を本刑に算入しないことが憲法に違反するか否か、および裁判所の裁量権の限界が問題となる。
規範
未決勾留日数の本刑算入については、算入の有無や程度を決定することは裁判所の裁量権の行使に委ねられており、これを算入しないとしても直ちに憲法違反とはならない。
重要事実
被告人が未決勾留日数を本刑に算入しなかった原審の判断を不服とし、憲法違反を主張して上告したが、具体的な被告人の罪名や未決勾留期間の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
最高裁は、先行する判例(昭和23年大法廷判決等)を引用し、未決勾留日数の不算入が憲法に違反しないことを確認した。本件においても、原審がその裁量により未決勾留日数を算入しなかったことは適法であり、上告趣旨が主張する憲法違反の実質は単なる不服申し立てに過ぎないと判断される。
結論
未決勾留日数を本刑に算入しないことは合憲であり、原審の判断は正当であるため、上告は棄却される。
実務上の射程
刑法21条の「未決勾留日数の算入」が裁判所の裁量規定であることを前提とした、憲法適合性に関する実務上の確認的な位置付けの判例である。答案上では、未決勾留の性質や裁判所の裁量を論ずる際の根拠として引用し得る。
事件番号: 昭和26(あ)1259 / 裁判年月日: 昭和26年7月26日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本判決は、弁護人が主張する憲法違反の訴えについて、実質的には単なる訴訟法違反の主張にすぎないと判断し、刑訴法405条の上告理由に当たらないとして棄却した。 第1 事案の概要:被告人が上告を提起し、弁護人が上告趣意において憲法違反を主張した。これに対し、裁判所が当該主張の具体的内容を精査し、上告理由…
事件番号: 昭和26(れ)1758 / 裁判年月日: 昭和26年11月22日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】単なる量刑不当の主張は、刑事訴訟法405条所定の上告理由には該当せず、特段の事情がない限り同法411条による職権破棄の対象にもならない。 第1 事案の概要:上告人は量刑が不当であることを理由に上告を申し立てたが、原判決の量刑判断において具体的にどのような憲法違反や判例違反があるのかについては明確な…
事件番号: 昭和26(あ)1164 / 裁判年月日: 昭和26年8月2日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】未決勾留日数の本刑算入は裁判所の裁量に属し、その全部又は一部を算入しないことは違法ではなく、憲法14条等の差別待遇にも当たらない。 第1 事案の概要:被告人が上告審において、原審が未決勾留日数を本刑に算入しなかったことの違法性、および裁判の迅速を欠いたこと(迅速な裁判の保障違反)を理由として原判決…
事件番号: 昭和26(あ)1852 / 裁判年月日: 昭和28年2月13日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】憲法36条が禁ずる「残虐な刑罰」とは、刑罰の種類そのものが人道上残酷と認められるものを指し、法定刑の範囲内で量定された刑が被告人にとって過重であってもこれには当たらない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件において有罪判決を受け、言い渡された刑罰を不服として上告した。弁護人は、選択された刑罰が重す…
事件番号: 昭和25(あ)3246 / 裁判年月日: 昭和26年12月6日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が裁量権に基づき法定刑の範囲内で実刑を科し、執行猶予を付さなかったことは、直ちに憲法36条の禁止する残虐な刑に当たらない。 第1 事案の概要:被告人が刑事事件において有罪判決を受けた際、裁判所は法定刑の範囲内で実刑を科し、執行猶予の言い渡しを行わなかった。これに対し、被告人側は、執行猶予を付…