判旨
上告理由が、原判決の認定に沿わない独自の事実を前提とする法令違反の主張にとどまる場合には、適法な上告理由とはいえない。
問題の所在(論点)
憲法違反を名目としつつ、その実質が原判決の認定事実に反する独自の事実を前提とした法令違反の主張である場合、適法な上告理由といえるか。
規範
上告趣意において憲法違反を主張していても、その実質が原判決の認定していない事実を前提とする法令違反の主張にすぎない場合は、適法な上告理由に当たらない。
重要事実
被告人が密輸出を図ることを中止したと主張したが、原判決ではそのような中止の事実は認定されていなかった。
あてはめ
弁護人が主張する「密輸出を中止した」という事実は原判決の認定に沿わない。したがって、憲法違反という形式をとってはいるものの、その実質は独自の事実に基づく法令違反の主張であり、上告理由としての適格を欠くといえる。
結論
本件上告は不適法であり、棄却を免れない。
実務上の射程
上告審において原判決の事実認定を争うことの困難さを示す。憲法違反や判例違反を構成する際には、原判決が確定した事実を前提とする必要があることを示唆する。
事件番号: 昭和26(あ)2004 / 裁判年月日: 昭和27年3月28日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】本決定は、上告趣意が刑訴法405条の上告理由に当たらず、かつ記録を精査しても同法411条の職権破棄事由が認められない場合に、上告を棄却するものである。 第1 事案の概要:被告人が原判決に対し、憲法違反および刑訴法411条の事由(著しい法令違反等)を主張して上告を申し立てた事案。なお、具体的な犯罪事…