告訴状につき弁護人及び被告人がこれを証拠とすることに同意するが告訴状の内容については異議があると述べたときは結局告訴状の証拠能力は認めるが証明力は争うという趣旨であると認められる。
被告人側が証拠とすることには同意するが内容には異議があると述べた告訴状の証拠力
刑訴法230条,刑訴法318条
判旨
被告人が最初に起訴された事件についてした弁護人選任の効力は、被告人が別段の限定をしない限り、追起訴され併合審理された事件にも及ぶ。
問題の所在(論点)
最初に起訴された事件(前訴)についてなされた弁護人選任の効力は、追起訴され併合審理された事件(後訴)に対しても及ぶか。刑事訴訟法30条に基づく弁護人選任の効力範囲が問題となる。
規範
被告人が特定の事件について行った弁護人選任の効力は、被告人が明示的に選任の範囲を限定しない限り、その被告人に対して追起訴され、かつ先の事件と併合して審理されることとなった事件に対しても当然に及ぶものと解するのが相当である。
重要事実
被告人は、被害者Aに対する詐欺事件で起訴され、弁護人を選任した。その後、被害者BおよびCに対する別の詐欺事件が追起訴された。第一審裁判所はこれら二つの事件を併合し、同一の公判期日において審理を行った。その際、当初の弁護人が出頭して追起訴分を含む全事件の審理が行われたが、被告人と弁護人のいずれからも異議は出されず、そのまま弁論が終結し判決が言い渡された。
事件番号: 昭和26(あ)1275 / 裁判年月日: 昭和26年10月5日 / 結論: 棄却
一 第一審第九回公判において検察官が被告人に対する昭和二四年八月一三日附及び同二五年一月一八日附の各起訴条記載の公訴事実について訂正の申立をしていること、その中には訴因の変更と認めるのを相当とする部分が存すること、これに対し裁判所が取り立てて訴因変更の許可決定を為さず、又その変更を被告人に更めて通知していないことはすべ…
あてはめ
本件において、被告人は前訴の起訴後に弁護人を選任しているが、その際に選任の効力を特定の事件に限定する意思表示をした形跡はない。追起訴された後、第一審裁判所はこれらを併合して審理しており、被告人および弁護人は追起訴にかかる事件の審理についても何ら異議なく立ち会い、弁論を終結させている。このような状況下では、当初の弁護人選任の効力は追起訴分にも及んでいると評価すべきであり、弁護人がいない状態で審理が行われたという違法は認められない。
結論
追起訴された事件についても弁護人選任の効力は及ぶため、第一審の訴訟手続に弁護権侵害等の違法はなく、判決は正当である。
実務上の射程
追起訴および併合審理がなされる実務において、弁護人の選任手続きを再度行う必要がないことを示した重要判例である。答案上では、被告人の防御権の保障と訴訟経済の観点から、弁護人選任の効果が併合事件に及ぶことの根拠として利用する。
事件番号: 昭和29(あ)121 / 裁判年月日: 昭和30年12月20日 / 結論: 棄却
一 本件起訴状に記載するような共犯関係においては、これをもつて直ちに当然両被告人は利害相反するということはできないから、第一審裁判書が公判進行の必要上当面の急に応じ同一弁護人を選任したこと自体をもつて、直ちに公正な弁護権の行使を妨げる違法な処置ということはできない。 二 被告人は第一審相被告人と共謀の上詐欺を行つたとい…