判旨
公判に繋属する前に提出された弁護人の選任届であっても、刑事訴訟法及び同規則の規定に照らし、有効なものとして取り扱われる。
問題の所在(論点)
公判繋属前に提出された弁護人選任届の有効性、および被告人が起訴前に弁護人を選任することの可否。
規範
刑事訴訟法30条1項、32条、刑事訴訟規則17条、165条2項の規定に照らし、被告人又は被疑者はいつでも弁護人を選任することができ、その選任は公判繋属前であっても、書面を差し出す方法によって有効に行うことができる。
重要事実
被告人は公判に繋属する前に弁護人の選任届を提出していた。上告審において、弁護人は当該選任届が「公判に繋属する前」に提出されたものであることを理由に、適当な弁護人の届出とはいえない旨を主張した。
あてはめ
刑事訴訟法30条1項は「被告人又は被疑者は、いつでも弁護人を選任することができる」と定めている。また、同法32条及び規則17条、165条2項は選任の手続を定めているが、これらは公判繋属前であることをもってその効力を否定するものではない。本件において、公判繋属前に弁護人選任届が提出されたという事実は、これらの規定に基づく正当な権利行使の範囲内であり、有効な選任手続といえる。
結論
公判繋属前の弁護人選任届は有効であり、これに反する主張は採用できない。
実務上の射程
被疑者段階から公判段階まで一貫して弁護権を保障する趣旨であり、起訴の前後を問わず弁護人選任の効果が継続することを認める。実務上、弁護人選任の有効性を争う場面で、選任の時期が制限されないことを示す根拠として活用できる。
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【結論(判旨の要点)】逮捕された被疑者に対し、司法警察員が犯罪事実の要旨を告げ、弁解の機会を与える際、併せて弁護人選任権を告知していれば、刑事訴訟法上の手続的保障として適法である。 第1 事案の概要:被告人は昭和26年11月9日、逮捕状に基づき逮捕された。同日、佐世保市警察署の司法警察員は、被告人に対し犯罪事実の要旨を…
事件番号: 昭和28(あ)3703 / 裁判年月日: 昭和30年5月11日 / 結論: 棄却
一 被告人は所持の麻薬がもはや薬効のないものと信じていた旨の主張は、単に麻薬所持の犯意を否認するものに過ぎないものであつて、刑訴第三三五条第二項の主張に当らない。 二 原審において戸田弁護人に対し控訴趣意書提出最終日指定の通知をしなかつたのは、被告人に対して右通知をなした当時、同弁護人については未だ控訴審における弁護人…