貸金業等の取締に関する法律違反になるためには金利の高率であることを要件とするものとは解せられない。
貸付金利の高率は貸金業等の取締に関する法律違反罪成立の要件か
貸金業等の取締に関する法律2条,貸金業等の取締に関する法律5条
判旨
貸金業等の取締に関する法律違反の成否について、同法は貸付金利が高率であることを処罰の要件としておらず、低利であっても同法違反は成立し得る。
問題の所在(論点)
貸金業等の取締に関する法律違反の成立において、金利が高率であることは処罰の要件となるか、あるいは低利であれば違法性が阻却されるか。
規範
貸金業等の取締に関する法律の違反を判断するに際し、金利が高率であることを構成要件とするものではないと解する。
重要事実
被告人は貸金業等の取締に関する法律に違反したとして起訴されたが、被告人は自身の貸付金利が低利であることを理由に、当該行為が違法ではないと主張して上告した。
あてはめ
被告人の行為は、貸金業等の取締に関する法律に抵触するものである。被告人は金利が低利であることをもって違法性を否定するが、同法は金利の程度を犯罪の成立要件として規定していないため、たとえ低利であっても法違反の事実は揺るがない。
事件番号: 昭和28(あ)601 / 裁判年月日: 昭和30年4月22日 / 結論: 棄却
貸金業等の取締に関する法律第二条にいう「貸金業」の意義は当裁判所の判例(昭和二六年(あ)第八五三号同二九年一一月二四日大法廷判決)のとおりであつて客観的に観察して貸金業としての形態を備えることは右「貸金業」の要件には属しない。
結論
被告人の所為は貸金業等の取締に関する法律違反に該当し、金利の低さは結論を左右しない。本件上告は棄却される。
実務上の射程
特別法違反の成否を検討する際、明文の要件に含まれない事情(本件では金利の低さ)を理由に違法性を否定することはできないという原則を示す。構成要件の解釈において、独自の目的論的解釈や実質的違法性論を過度に拡張することを牽制する趣旨で引用し得る。
事件番号: 昭和28(あ)1822 / 裁判年月日: 昭和30年3月1日 / 結論: 棄却
原審において控訴趣意として、被告人の所為は、知人の事業援助のため、事業資金の用立又は投資をなしたもので、その利率は低率で、また殆ど無担保を以てし、資金の回収を確実にする措置を講じていないから、貸金業の型態を具備していない、旨の主張がなされた。原判決は右の主張に対して「必ずしも所論の型態を備えなければ貸金業に当らないもの…
事件番号: 昭和27(あ)4049 / 裁判年月日: 昭和28年4月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】貸金業法(旧貸金業等取締法)に関する原判決の法律解釈は正当であり、特段の法令違反は存在しない。また、上告趣意が単なる法令違反の主張に留まる場合は、刑事訴訟法405条の上告理由に該当しない。 第1 事案の概要:被告人が貸金業に関連する法令違反に問われた事案において、原判決の法律解釈を不服として弁護人…
事件番号: 昭和27(あ)6455 / 裁判年月日: 昭和28年4月23日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】上告理由が実質的に単なる訴訟法違反の主張にすぎない場合、刑訴法405条の上告理由には該当しない。また、原審の事実認定制に不合理な点が認められない限り、最高裁判所が職権で破棄すべき事由があるとはいえない。 第1 事案の概要:被告人が第一審判決の別表に記載された貸付金の借主について、個人ではなく会社で…
事件番号: 昭和28(あ)2226 / 裁判年月日: 昭和28年9月10日 / 結論: 棄却
貸金業等の取締に関する法律二条にいわゆる貸金業とは反覆継続の意思を以て金銭の貸付又は金銭の貸借を媒介することを指すものであり、(昭和二六年(あ)二七〇二号、同二八年二月三日第三小法廷決定参照)、必ずしも所論のように「普段の収入の源泉となす意思を以て」それらの行為をなした場合に限るべきいわれはない。