判旨
裁判所が特定の国籍(朝鮮人)を理由に差別的措置を講じた事実が認められない場合、法の下の平等を定める憲法14条に違反しない。
問題の所在(論点)
裁判所による判断や訴訟上の取扱いが、被告人の特定の国籍を理由になされたものであり、憲法14条(法の下の平等)に違反するか否か。
規範
特定の社会的属性(国籍等)を理由として、裁判手続において不利益な差別的措置を講じることは憲法14条に違反する。しかし、そのような差別的事実が認められない場合には、違憲の主張は前提を欠き失当である。
重要事実
被告人AおよびBが、原判決(下級審)の判断について、被告人が朝鮮人であることを理由に差別的措置がなされたと主張し、憲法14条違反を理由に上告した事案である。また、併せて憲法31条違反等の適正手続違反も主張されていた。
あてはめ
記録に照らして判断すると、原判決において被告人が朝鮮人であるからといって差別的な措置を講じた事実は極めて明白に否定される。したがって、弁護人が主張する差別的措置の存在という前提自体が失当であるといえる。
結論
被告人が朝鮮人であることを理由とした差別的措置は認められず、憲法14条違反にはあたらない。また、憲法31条違反等の主張も適法な上告理由に当たらないため、上告は棄却される。
実務上の射程
裁判所による事実認定や手続が特定の属性に基づく差別であると主張する場合、その具体的な差別事実の存在が認められない限り、憲法14条違反の主張は認められないことを示している。実務上は、差別的内容を具体的に指摘・立証する必要があることを示唆する。
事件番号: 昭和41(あ)72 / 裁判年月日: 昭和41年6月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が朝鮮半島出身者であることを理由に差別的な量刑がなされた事実は認められず、法の下の平等に反するとの主張は前提を欠く。 第1 事案の概要:被告人AおよびBが、朝鮮半島出身者であることを理由に、原判決において差別的な待遇を受け、不当に重い刑を科されたと主張して、憲法違反を理由に上告したもの。 第…