判旨
被告人が朝鮮人であるという属性のみをもって、裁判所が審判において不利益な差別的取扱いをした形跡が認められない以上、憲法14条の法の下の平等に違反しない。
問題の所在(論点)
刑事裁判における審判が、被告人の人種(国籍・民族的属性)を理由に不利益な取扱いをした場合、憲法14条の法の下の平等に違反するか。
規範
憲法14条1項の保障する法の下の平等に反するか否かは、公的機関による個別の法的措置が、人種、信条、性別、社会的身分又は門地を理由として、合理的根拠のない差別的取扱いを行っているか否かによって判断される。
重要事実
被告人が朝鮮人であることを理由として、本件の審判において差別的取扱いがなされ、その結果として事実誤認や不当な量刑が導き出されたと主張して上告がなされた。具体的な事件の罪状等の詳細は判決文からは不明である。
あてはめ
本件の記録を精査しても、被告人が朝鮮人であるという事実に基づき、裁判所が本件審判において特段の差別的取扱いを施したという客観的な形跡は見当たらない。したがって、被告人の主張する差別的取扱いの事実は認められない。
結論
本件審判が憲法14条に違反するとの主張は採用できず、上告を棄却する。
実務上の射程
裁判所による事実認定や量刑判断が人種等の属性を理由になされたと主張する場合、その差別的取扱いの具体的な形跡が記録上認められない限り、憲法違反の主張は認められないことを示している。
事件番号: 昭和41(あ)72 / 裁判年月日: 昭和41年6月16日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】被告人が朝鮮半島出身者であることを理由に差別的な量刑がなされた事実は認められず、法の下の平等に反するとの主張は前提を欠く。 第1 事案の概要:被告人AおよびBが、朝鮮半島出身者であることを理由に、原判決において差別的な待遇を受け、不当に重い刑を科されたと主張して、憲法違反を理由に上告したもの。 第…
事件番号: 昭和26(あ)1739 / 裁判年月日: 昭和28年3月11日 / 結論: 棄却
【結論(判旨の要点)】裁判所が特定の国籍(朝鮮人)を理由に差別的措置を講じた事実が認められない場合、法の下の平等を定める憲法14条に違反しない。 第1 事案の概要:被告人AおよびBが、原判決(下級審)の判断について、被告人が朝鮮人であることを理由に差別的措置がなされたと主張し、憲法14条違反を理由に上告した事案である。…